外から家の中が見えないようにする他、遮光や遮熱にも役立つ「すだれ」。「万葉集」に登場することから、日本では奈良時代から使われていたとも言われており、とても歴史が長いものなのです。見た目が古風で存在感があるので、おしゃれなものを選べばインテリアとしても活躍しそうですね。
本ページでは、すだれの選び方のポイント、ネット通販で購入できる人気の商品、効果的な使い方についてご説明したいと思います。
すだれの選び方
すだれの選び方についてまずはご説明したいと思います。それぞれに特徴があるので、ニーズに合ったものをチョイスしてみましょう。
すだれの種類
すだれの種類には、次のようなものがあります。
天津すだれ
天津すだれは、街中やお店で最もよく目にするポピュラーなもの。中国天津で栽培されるよしが材料として使われています。安価で手に入れやすく、なにかと使い勝手も良いので、初めてすだれを購入する人も扱いやすいでしょう。ただ、耐久性はあまり良いとは言えないので、使用状況により1~2年で新しいものに取り替えることをおすすめします。
竹すだれ
竹を使ったすだれは天津すだれよりも高級感があるので、通りからよく見える位置にかけたい時や、インテリアとして使いたい時にも重宝します。また、耐久性が良く、大事に扱えば数年は使うことが可能です。
アルミすだれ
アルミ製のすだれは、天然素材のものに比べて遮光・遮熱効果が高いのが特徴です。見た目の良さではよしや竹などの素材にかないませんが、比較的安価で外からの視線も遮りやすいので、天然ものにこだわりがなければ使ってみるのも良いのではないでしょうか。
ナイロン樹脂製すだれ
ナイロン樹脂製すだれは軽くて扱いやすいので、女性でも簡単に取り付けることができます。また、天然素材と違って虫が発生しないので、室内にかけて使いたい時にも安心です。デメリットはやや安っぽく見えてしまうことですが、強度もあり、長く使えるので、人目が気にならなければ非常に便利なアイテムですよ。
萩すだれ
育てるのが非常に大変なため、今では全国で1,2件しか扱われていない「萩」を使ったすだれです。栽培も大変なら、すだれに加工するのも大変で、出来上がりまでには長い時間が必要。その分、完成したすだれはとても美しく、高級料亭でもお客様を迎える部屋のインテリアとして使われています。
近江よしすだれ
滋賀県の琵琶湖でとれるよしを使ったすだれで、1本1本が微妙に曲がっているのが特徴。隙間から光が漏れて室内に影を作るため、遮光や遮熱のためというよりは、自然が作り出すそうした美しさを楽しむために使う人が多いです。萩すだれと同じく、とれる量が少ないので、とても貴重な品となっています。
すだれの大きさ
すだれには様々な大きさのものがあるので、購入する前には、必ず取り付けたい窓のサイズを確認するようにしましょう。特に一般的な窓ガラス(88㎝ぐらい)とは違うサイズのものを使っている家では、十分に気を付けてください。
長さを測る時は、窓の一番上からではなく、すだれを取り付ける位置から測ることが大切です。これを誤るとすだれの長さが足りず、下のほうだけ丸見えということになってしまうので注意してください。
全部の窓にすだれが必要?
すだれをかけると部屋の中が多少暗くなるので、全ての窓に付けるとどんよりとした雰囲気になってしまいます。なので、すだれをかけるのは直射日光が当たる場所や、外から人目につきやすいところだけで十分。家の中でどの窓が最も適しているのかを調べ、サイズの合ったものを購入するようにしましょう。
トイレやお風呂の小窓に使いたい時は?
トイレやお風呂などの小窓に使いたい時は、ちゃんとこれに適したサイズの小さいすだれが売られています。ただし、外から見えにくいのは昼間だけ。室内の灯りをつけると透けて見えてしまうので、夜間はミラーカーテンやお風呂用に作られたカーテンも併用すると良いでしょう。
巻き上げ機能の有無
すだれをかけっぱなしにするのではなく、時々上げて室内に風や光を入れたいという時は、紐を引くだけでくるくると巻き上げることのできる機能が付いているものだと便利です。巻き上げ機は別売りのものを後から付けることもできるので、そうした商品を利用しても良いでしょう。
防虫加工の有無
天然素材を使用したすだれには、稀に虫がつくことがあります。特に室内にかけて使う時は気になると思いますので、その場合はあらかじめ防虫加工が施してあるものを選ぶと良いでしょう。
すだれの色
すだれは、使う素材や製造方法によって色が変わります。ベージュに近いものもあれば、ダークブラウンと呼べるほど色の濃いものもあるので、好みや家の雰囲気に合ったものを選ぶようにしましょう。色の濃いものは高級感がありますが、同時に圧迫感も覚えやすいので、そうした点も考慮して選ぶことが大切です。
固定する場所がない時は
すだれはよしずのように立てかけて使うものではないので、必ず吊るす場所が必要となります。しかし、住宅事情によってはすだれを固定するフックが付けられないこともありますよね。
そんな時におすすめなのが、接着面に塗られた接着剤をライターの火で溶かし、直接ぺたっと貼り付けることのできるフック。また、サッシ部分にマグネットでくっつけられるものもあります。
ただ、一般的なフックに比べると強度にやや不安もあるので、万が一すだれが落下しても危なくない場所に使うと良いでしょう。
すだれ人気おすすめ商品TOP10
ここからはネット通販で購入できる人気のすだれをランキングでご紹介していきたいと思います。
スモークよしすだれ 88×180cm ブラウン
中国でとれたよしを原料に、手作りで作られたすだれです。スモーク加工を施してあるので防虫・防カビ効果が高まっており、室内にかけて使うにも安心できそう。もちろん、天然素材なので絶対に虫が発生しないとは言いきれませんが、万が一虫が出ても人体には無害ということですよ。
色合いはナチュラルかつさわやかな印象で、部屋の雰囲気を落ち着いた心地よい空間に変えてくれます。遮熱効果で昼間の強い日差しを和らげるので、気温の高い夏も快適に過ごせそうですね。
【いぶし焼き すだれ 和 よしず】 天然 黒丸竹 24本編み いぶし焼き こだわり すだれ 88×157cm(B172)
最上部に天然の黒丸竹を使い、強度を上げる工夫をしたすだれです。ヒビが入りにくい素材なので、長持ちしそうなところが嬉しいですね。本体部分に使われている素材も、天然素材であるよしですが、質の良いものを選び、24本の糸で丈夫に編み上げてあるので、数シーズン使えて経済的です。
また、いぶし焼きで仕上げてあるため、防虫・防カビ効果が高まっています。室内でも安心して使える上、いぶした素材特有の渋い風合いが楽しめますよ。
天津すだれ よしず 簾 ワイド (超特大) 【約 幅x高:176x220cm】
ホームセンターにはなかなか売っていない、176×220㎝の超特大サイズ。長さがたっぷりあるので、大きめの窓を使っている家でも重宝します。色はナチュラルな藁のような色で、ぱっと明るい雰囲気。夏の強い日差しを遮り、適度な風を入れてくれるので、日中も気持ちよく過ごすことができますよ。
また、1本1本をきっちり編んであるので、プライバシーを守りやすいです。夜間はミラーカーテンを併用するなどの工夫が必要ですが、昼間は窓を開けていても外からのぞかれる心配が少なく、安心ですよ。
天津すだれ よしず 簾 (小窓用) 【約/幅x高:(約)74x90cm】
74×90㎝のミニサイズで、小窓にかけるのに適したすだれです。キッチン、お風呂、トイレに付けられた小さめの窓の目隠しに使ったり、インテリアを兼ねて玄関に付けたりと、使い方はいろいろ。軽くて扱いやすいので、女性でも楽に作業ができますよ。
また、室内に取り付けるのにも適したサイズなので、脱衣所を廊下から見えないようにしたり、共用で使っている部屋の仕切りに使ったりすることもできます。天然素材ならではのほっとする雰囲気で、ストレスも和らぎそうですね。
武田コーポレーション 【すだれ・ブラインド・目隠し・間仕切り】 スモーク 竹すだれ 中 88×112cm STS-88112
防虫・防カビ効果が期待できる、スモーク仕上げのすだれです。材料には竹を使用しているので、見た目がすっきりとしており、どことなく高級感もあります。屋外にかけて日差しを遮るだけでなく、室内にかけてインテリアとして楽しむのも良いですね。
サイズは88×112㎝で、一般的に広く使われている窓ガラスにちょうど良い大きさですが、万が一横幅や長さが足りないと使いにくいので、きちんと測ってから購入するようにしましょう。
すだれ PP 弥生 88×135 交色 21670
落ち着いた印象の、ダークブラウンのすだれ。見た目に高級感があるので、和風のインテリアとしてもおすすめです。また、ずれにくい工夫を施した巻き上げ機も付いており、使わない時は手軽にくるくると巻いておくことができます。本体部分は1本ずつしっかり編んであるので、耐久性にも期待が持てますよ。
使われている素材はポリプロピレンで、天然素材と違い、虫が発生する心配がありません。また、重量はわずか900gなので、持ち運びも楽々。女性の手でも簡単に付けられます。
室内用 焼竹すだれ (約88cm x 110cm)
自然素材である竹を煙でいぶし、程よい焼き加減に仕上げたすだれです。なんともいえない良い香りがして、風合いも楽しめるので、遮光や遮熱だけでなくインテリアとして使うのも良いのではないでしょうか。
原料となる竹は、専門の職人が1本ずつ吟味した良質なもの。それを丁寧に手作りで編み上げてあるので、大切に使えば長くもちそうです。ちなみに、屋外ではなく室内にかけて使ったほうが良いということですよ。
武田コーポレーション 天津すだれ ハイロング 88cm×220cm 超特大サイズ LLサイズ
長さのある窓にぴったりな、ハイロングサイズの超特大すだれです。広い部分をワイドに覆い隠してくれるので、夏のきつい日差しに悩んでいた人や、外を通る人の目が気になっていた時には、とても便利なのではないでしょうか。
天然素材を使った商品なので、近くで見ると多少の色ムラや歪みもありますが、それがかえって素朴な雰囲気を醸し出し、ほっと心を癒してくれますよ。
すだれ PP 和の彩り 88×180 ダークブラウン 53343
軽くて扱いやすいポリプロピレンを使い、シックな雰囲気のダークブラウンに仕上げた、おしゃれなすだれです。高級感があるので、寝室やリビングはもちろん、来客時に使う和室にもぴったり。天然素材ではないので、虫が発生する心配もありませんよ。また、付属品として巻き上げ機が付いているので、使わない時は簡単に上へ巻き上げておくことができます。
天津すだれ 中 88×112cm
「すだれといえばコレ!」と言いたくなるような、定番のロングセラー商品。中国産のよしと竹を材料として使い、しっかりと編み上げてあります。天然素材なので虫が発生することもありますが、気になる場合は、薄めた漂白剤や防カビ剤を使ってあらかじめ虫がつきにくい状態にしておくと、いくらか安心です。
素材の色そのもののナチュラルな雰囲気なので、窓にかけると柔らかい雰囲気になり、心もほっと和みます。レースのカーテンとはまた違ったイメージで部屋を飾れるので、和風テイストに興味のある方もぜひ使ってみてください。
すだれの効果的な使い方
すだれの効果的な使い方をご紹介します。
屋外への簡単な取り付け方
屋外で使う場合は、窓のサッシに「すだれハンガー」を取り付けると簡単です。すだれハンガーはフックの付いた金具が2個セットになったもので、付属のネジでサッシに固定して使います。また、磁石がくっつく素材のサッシであれば、マグネット式のフックをぺたんと貼る方法もありますよ。
室内で使う場合の簡単な取り付け方
すだれを室内で使いたい場合は、カーテンレールを使うと簡単です。冬場はレースのカーテンと普通のカーテンをペアで使い、日差しの強い夏はレースのほうを外して代わりにすだれをかけるという風にすれば、さほど手間をかけずに付け替えることができて便利ですよ。専用のフックを買う必要がないので、コストも抑えられますね。
洋風のカーテンと和風のすだれは合わないのではないかと心配する人もいますが、実際につけてみると、意外なほどマッチします。それぞれの色の組み合わせを考えることは大切ですが、ちぐはぐな印象になることはあまりないのでご安心ください。
つっぱり棒を使う方法も簡単!
わざわざカーテンを外すのが面倒だったり、そもそもすだれをかけたい場所にカーテンレールがなかったりする時は、つっぱり棒を取り付け、そこにフックやクリップを使ってすだれをかける方法もあります。外す時も、つっぱり棒を緩めるだけなので簡単ですよ。
西日が当たりやすい場所では窓の外での使用がおすすめ
西日や直射日光を防ぎたい時は、すだれを窓の外にかけておくのがおすすめです。なぜなら、窓の内側に吊るしたすだれは、窓ガラスを通じて温められた熱を吸ってしまうから。放熱の際に部屋の温度が上がってしまうので、せっかくの遮熱効果をうまく発揮できないことがあるのです。
窓からは10㎝ぐらい離して吊るすと良い
すだれと窓が密着しすぎているとそこに熱がこもりやすくなり、外からの風をスムーズに室内へ取り込むことができません。窓からは10㎝ほど離して吊るし、風通しを良くしましょう。さらにすだれの表面に霧吹きなどで水をかけておくと、蒸発する際に熱を奪ってくれるので涼しさがアップしますよ。
風が強い日のすだれの取り扱い方
すだれには軽いものが多いので、風の強い日は外れてどこかへ飛んでいってしまったり、バタバタと煽られてうるさかったりすることがあります。自宅の庭に落ちるぐらいなら良いですが、万が一誰かに当たってしまったり、よその家の敷地内に落ちたりすると大変! 風の強い日は家の中に入れたり、しっかり巻き上げて固定しておいたりといった工夫をしましょう。
窓の遮光・遮熱以外の便利な活用法
すだれは上から吊るして使うのが一般的ですが、他にもいろいろな活用法があります。覚えておくとなにかと便利ですよ!
ベランダですのこ代わりに使う
気温の高い夏場は、素足でベランダに出るとやけどしそうになることがあります。しかし、すのこを敷くと場所をとるし、置き方によってはガタガタと鳴ってうるさいという問題が……。そこで役に立つのがすだれ。すのこの代わりにベランダに敷いて上から水をかけておくと、場所もとらずひんやりとした感触が長続きしますよ。
屋外で飼っている動物の日よけに
外に犬小屋を置いて犬を飼っている家庭や、屋外に亀や金魚などの水槽を置いている人は、動物たちの健康が気になりますよね。気温が上がり過ぎると病気になったり、命を失ってしまったりすることもあるので、できるだけ過ごしやすい環境を作ってあげたいものです。そんな時にも、すだれが1枚あると気温がかなり違ってきますよ。
室外機をカバーする
エアコンの室外機は、温度が上がりすぎると室内から拾った熱を捨てる機能が低下し、余分な電力がかかるという性質を持っています。室外機を覆ってしまわないように1mほど離し、すだれをかけて日よけを作ってあげましょう。
玄関から見える部屋の目隠しに
玄関から家の中が見える造りになっていると、お客さんに部屋の中を見られてしまい、恥ずかしい思いをすることがありますよね。そんな時も、部屋の入口にすだれをかけておけば、たとえドアを閉め忘れていても見られる心配がありません。また、室内に風を通したい時にもドアを開けっぱなしにしておけるので、プライバシーを守りやすいですよ。
棚の目隠し&埃よけに
扉のない棚は中が丸見えだし、埃も溜まりやすいもの。また、蛍光灯の灯りや窓から入り込む光が当たることで、本が日焼けしてしまったり、置き物が色あせてしまったりすることもあります。大切なものをしまってある棚には、すだれで簡易カーテンを付けておくと安心ですよ。
まとめ
日光を遮って風を通し、室内の温度を下げてくれるすだれは、一度使ってみると手放せない便利な道具です。近頃では色や素材、デザインも豊富になってきており、インテリアとして楽しめるところも嬉しいですね。
また、本来の使い方以外にも、いろいろと便利に活用することができます。大きな窓もすっぽりとカバーしてしまうものから、100円ショップで売っているような小型のものまでサイズが豊富に揃っているので、ぜひ自分なりのアイディアで使いこなしてみてください。