どこかレトロな雰囲気を醸し出した真空管アンプ。実際に触れたことがある、という方はそう多くはないかもしれません。少し時を遡った頃には、家電用品にもよく使用されていた真空管ですが、それを用いたアンプが現在注目されています。
柔らかく、真空管にしか出せない音を楽しめることから、それでしか楽しむことができない魅力が詰まっているのが選ばれる理由のひとつでもあるでしょう。今回はおすすめの真空管アンプと選び方を、あわせてご紹介します。
真空管アンプの選び方
真空管アンプの種類を分けるものとしては、おおまかに3つの形状によって分類されます。さらにその3つから細分化して、となりますが、まずはST管・GT管・MT管とそこから選ぶことをおすすめします。それぞれの特徴を簡単にご紹介していきましょう。
真空管アンプの形状
ST管
まるでだるまを思わせるような特徴ある形と、大きさが目を惹くST管。ピンの数は4・5・6・7本の四種類になります。現在においてギターアンプとしてST管が使用された例はないなど、他のものとはまた違った特徴があります。
しかし、オーディオマニアにとってこの見た目が何とも心をくすぐるものがある点、高級オーディオ用としての地位を占めている電力増幅用の直熱3極管、300B、2A3といった球が、このST管であることから、根強い人気を誇るのもまた事実でもあります。
GT管
頭の部分に丸みがある点、プラスチックで出来ている点が大きな特長としてあげられるGT管。ベースの真ん中にベース・キーという棒が存在し、正しい位置にピンを入れるためのガイド的な役割を担っています。ピンの数は8ピン一種類で、昔はGT管がMT管に置き換えられていたこともあったようです。
MT管では適さない、発熱の多い整流管や大出力管は現在もGT管が使用されており、ギターアンプのパワー管には現在もこのGT管が多く使われています。
MT管
先ほどご紹介した二つを合わせた3種類のなかでも、最も新しいタイプにあたるのがMT管。種類も豊富であることから、真空管においての主流な形状はこのMT管が取り上げられます。ミニチュア管とも呼ばれており、一般的にこちらをイメージされる方も多いかもしれません。
ピンの数は7・9ピンと二種類、ソケットも二種類あります。それぞれ「MT7ピンソケット」「MT9ピンソケット」と呼ばれており、ギターで使用される真空管アンプにはMT管の9ピンタイプが定番となっています。
アンプ形式で選ぶ
基本的に真空管アンプを好まれる方は、オーディオ愛好家などこだわりを持った方が多いため、細かなラインナップを眺めていると迷ってしまわれるかもしれません。それほど種類も豊富であるため、まだ初心者の方はそこまで頭を悩ませることがないよう、プリメインアンプを選ぶのがおすすめです。
プリメインアンプは、一般的なアンプとしていわれており、プリアンプとパワーアンプが一体化したものです。再生機器とスピーカーさえあれば音を出せるので、初めて選ばれる方にも扱いやすいという特徴があります。また、種類もたくさんあるので選択肢が広がるのもおすすめの理由のひとつです。
真空管アンプでより高度に再生したい、という場合はパワーアンプが上級者としておすすめのものになりますが、価格が平均して高額であることからハイクラスモデルに指定されているものも少なくありません。慣れないうちはプリメインアンプが安心でしょう。
デザイン性で選ぶ
こちらは音とはまた違った観点になりますが、真空管アンプはおしゃれなデザインのものが多く、インテリアとしても飾りたくなるような優れた外観のものなど、思わず見た目にも注目してしまうような魅力を持っていることも特徴として挙げられます。
もちろん、アンプである以上見た目だけにこだわるのはおすすめとは言えませんが、もし同じような仕様であった場合、デザインによって選ぶというのも選択肢のひとつとしておすすめできます。どこかレトロで懐かしい、ノスタルジックなムードを演出してくれる素敵なアイテムとしてお部屋で存在感をアピールできそうですね。
真空管アンプ人気おすすめ商品TOP8
ここからは、おすすめしたい人気の真空管アンプをご紹介していきたいと思います。シンプルに楽しめるものから、充実のラインナップとなっていますので、実際に購入される際にまずチェックしてみてください。
PCL86シングルステレオパワーアンプキット 真空管アンプ TU-8100
真空管アンプを初めて扱う方におすすめなのがこちら。真空管アンプキットの入門機として位置づけされた商品で、組み立てやすく、初心者にも扱いやすくなっているのが特徴です。机の上に置いても邪魔になりにくい、現代の住宅事情にもマッチした、コンパクトサイズが嬉しい仕様となっています。
ハンダ付けキットではあるものの、面倒なシールド配線やワイヤー配線などの作業を一切なくし、真空管工作が初めての方でも比較的簡単に組立てることができます。真空管の暖かみある、済んだ音を楽しめるなど、普段では味わえない良さを実感できるでしょう。
Hoomya 最新 6J9シリーズ 真空管アンプ プリアンプ オーディオ ヘッドホンアンプ HiFi真空管プリアンプ
真空管アンプのなかでも手に入れやすい価格設定となっており、手軽に楽しみたいライトユーザーにとっては一度試してみていただきたい商品です。音質はもちろんのこと、総合的に見てコストパフォーマンスを重視したい、という方は候補に入れてみてもいいでしょう。
暖かい光の真空管がとてもいい雰囲気を見せてくれるなど、聴くだけでなく見て楽しむ良さもあります。ヘッドフォンなどの組み合わせによって聴こえる音も変わってきますので、色々と比べてみる楽しさもあるのではないでしょうか。
Dilvpoetry TUBE-01 真空管6J1プリアンプ ミニHIFIアンプ DC12V2A (シルバー)
すっきりとしたデザインで、コンパクトかつ軽量。どこでもお使いいただける利便性のよさは何といってもこちらのアンプの大きな特長ではないでしょうか。暖かみのある優しい音を楽しむことが出来るので、ゆったり音楽を楽しむための真空管アンプをお探しの方におすすめです。
コストパフォーマンスに優れていることから、予算をあまり確保できない方でも選びやすいでしょう。全体的に音のバランスもよく設定されているので、程よさを重視したい方にとってはもっとも選びやすいかと思います。
TRIODE プリメインアンプ Ruby
暖かみと柔らかさのある音色に心地よくうっとりした時間を過ごせる、という声も多数のこちら。美しさだけでなく、しっとりと味わい深い音質を楽しめるモデルですので、安らぎのひとときを過ごしたい方にもぴったりではないでしょうか。
小型サイズでおしゃれに、デザイン性にもこだわりたい方は目を惹かれることでしょう。男性だけでなく女性にも好まれやすいので、入門として購入される方や幅広く音楽を楽しみたい方にも親しまれるでしょう。センスの良さを音や見た目からも伝えてくれる、まさに真空管アンプの良さをありのままに見せてくれるアイテムですね。
エレキット 6L6GCシングル真空管アンプキット TU-8200
パワフルでナチュラルな音質を持つ、シングル動作のパワーアンプキットです。出力管の動作モードは簡単に切り替えることができるので、こちらが一台あるだけで真空管アンプを十分楽しむことが出来るでしょう。気軽に満喫したい、という方にも満足していただけるはずです。
パワフルな「五極管結線」、繊細な音が特徴の「三極管結線」、両方の良さを兼ね揃えた「ウルトラリニア(UL)結線」、それぞれ3種類の出力管の動作モードを、ショートプラグを差し替えるだけで簡単に行うことができます。パイロットランプの発光色もブルー・グリーンとお好みに合わせて選べるのも楽しいですね。
【新登場!】 Nobsound NS-10P Mini 真空管 プリアンプ Hi-Fi AUX ライン プリアンプト レブル ベース メール便発送不可
手のひらサイズのこちらは、とにかくコンパクトさ重視の方にとっても選びやすい商品のひとつといえるでしょう。小さいながらも優れたサウンドパフォーマンス力を持っており、柔らかく優しい音を楽しませてくれます。あたたかみのある音質がお好みの方には、特に好まれるかもしれません。
高音・低音と、音量調節機能もついているなど自分好みに楽しめるのが魅力でもあります。上級者の方であれば、色々と改造してみることでまた違った音の味わいを引き出すことが出来るでしょう。幅広く愛好家の方に楽しまれるアンプです。
SMSL T2 真空管ヘッドフォンアンプ ミニアンプ 5532チップ HIFI オーディオ プリ チューブ6J9
洗練されたスタイリッシュなデザインとカラーリングがお気に入り、という方も多いのではないでしょうか。優れた外観だけでなく、傷にも強い設計となっているのが嬉しいですね。いつまでも良い状態を保ちやすくなっているなど、品質重視の方にも満足していただける一品でしょう。
低グランドノイズ! 出力スイッチとしてリレーを制御するマイクロプロセッサを採用するなどノイズにも対応しているところがポイント。高品質のサウンド、強いドライブ電流とパワフルな組み合わせをぜひ実際の耳で確かめてみてください。
FX-AUDIO- 【ブラック】真空管プリアンプ(ラインアンプ) NFJオリジナルモデル TUBE-01J
柔らかくノスタルジックな雰囲気の音を楽しめるのが、こちらのアンプの特徴でしょう。真空管の柔らかな光だけでなく、音とあわせてひとつの世界を楽しめるのが魅力です。家庭用真空管アンプの入門機としてもおすすめ、という声があるなど十分に楽しめる一品となっています。
コストパフォーマンスの面においても優れているなど、限られた予算のなかで音色に満足したい、というお考えをお持ちの方にも選びやすいので、迷ったときはまず試してみる気持ちで選ばれるのもおすすめです。デザインも可愛らしく、お部屋のインテリアとしても活躍してくれそうですね。
真空管アンプの効果的な使い方
真空管アンプは手に入れれば一生使える、というのは半分事実で半分間違いです。電球や蛍光管と同じように、ある一定の期間使用することで寿命が訪れます。それによって球切れを起こしてしまうなど、永久的に使用できるものではありません。
ただ、それが終わればもう使用できなくなる、というわけではありませんのでご安心を。真空管を交換し、調整を行うことによってまた音楽を楽しむことが出来ます。もしご自身で行うことが難しい場合は、専門店など知識を持った方にお願いすると安心ですね。
はじめのうちはあらゆる種類を見分けることも難しく感じられるかもしれませんが、慣れてくるとここにこだわってみたらどうだろう、という発見ができるようになります。そうすると、より深く真空管アンプを楽しむことが出来るでしょう。はじめのうちはまず楽しむ、それだけでも十分です。
年を重ねるごとに人間味が増すように、真空管アンプもまた味わい深さを感じられるアイテムです。ぜひ癒しのひとときに、ご自身にとっての大切な時間を過ごすためのものとして大切になさってください。
まとめ
玄人的な楽しみ方をできる、それが真空管アンプの特徴でもあります。ただ普通に音楽を聴くだけでは満足できない、真空管アンプでしか楽しむことが出来ない音を味わってみたい、そんな方にこそおすすめしたいアイテムです。こだわればこだわるほど、より味わい深くなること間違いなし。ご興味のある方はぜひ、トライしてみてはいかがでしょうか。