今や計算は電卓で簡単に行えるものですが、そろばんの人気も不変と言われます。それは単に計算をして答えが出るというだけではなく、思考力や集中力などを鍛えることにもつながるからです。
そこで今回は、これから始めてみようという入門者のお子さんから有段者の方まで参考になるような、そろばんの選び方を取り上げます。どのような商品を選べば良いのか、じっくりとご覧ください。
そろばんの選び方
そろばんは使用する材質によって価格も大きく変わります。それぞれに品質も使い勝手も異なるので、自分に合ったものを選ぶ必要があります。
そこで、これから初めてそろばんに触れるというお子様から買い替えを検討している上級者の方まで、参考になるような選び方をご紹介します。材質の違いがどのように使用感に反映されるのかも参考にしていただければと思います。
そろばんは23桁が標準
販売されるそろばんには様々な桁数のものがありますが、標準とされるのは23桁です。これは検定や競技で使われるのが23桁であることが理由となります。通常の計算用に使うのであれば、13桁や15桁程度でも良いでしょう。
そろばんの使いやすさのポイントとは
そろばんを選ぶ際に参考にする使いやすさのポイントは、玉を弾いた時の感触です。適度な重さの玉でなければ、勢いよく弾いた時に元に戻ってしまいます。けれどもあまりに重い玉となると、指に負担がかかり疲れてしまいます。
また競技で使用する場合、使い慣れたそろばんを使用することになります。傷んだ時には同じ商品を購入できるかどうかもチェックしておく必要があります。玉の重さが変わると、違和感を感じて普段の実力を出せないことがあるからです。
さらに木枠の場合、気温や湿気の影響を受けて歪む場合があります。木枠が歪むと玉の動きにも影響が出てくるので、極力歪みの少ないものを選ぶことが大切です。
プラスチックよりも木製の玉がおすすめ
そろばんの材質は大きく分けて、プラスチックと木材があります。プラスチックは価格も安く手軽に購入できる利点があります。価格帯もそれほど幅広くないので、品質的にもさほど商品による違いは見られません。
ただし、本格的にそろばんを行うのであれば、玉は木製の方がおすすめです。最初から木の玉の重さに慣れておく必要があるからです。
プラスチックの玉は軽い
良い意味でも悪い意味でも、プラスチックの玉は軽いのが特徴です。小さなお子様が初めて触れるものとしては、軽いプラスチックの方が良いかもしれません。
けれども慣れてくると計算のスピードの速さを求めるようになります。すると勢いよく弾いたプラスチックの玉は戻ってしまうので、正しい計算結果が出なくなってしまいます。
そのために、本格的に始めるのであれば木製の玉を使った方が良いとされるわけです。最初から木製の重さに慣れておいた方が、検定などの際にも普段の練習通りに指が動きます。
木製にも種類に違いがある
木製の玉のそろばんは、材質の違いによって価格にもかなり違いが出るようになります。木のそろばんの特徴は適度な重さの玉とスムーズな滑りの良さが挙げられます。
ただし木枠は気温の変化によって歪むこともあり、安価な商品の場合には玉の動きにも影響が出るケースもあります。そのために、木製のそろばんはある程度の価格の高さは必要になります。
木製の玉は主に2種類に分かれる
そろばんの木製の玉には2種類あります。高級品質となるツゲと一般的に使われるカバです。
使い込むほど手に馴染むツゲ玉
木製のそろばんの中でも特に価格が高いのがツゲ玉を使ったものです。新品は黄色く明るい色合いですが、使い込むうちにアメ色に変わり、滑りの調子も良くなっていきます。国産では鹿児島のツゲが有名ですが生産数が少なく、タイ産のツゲが多く使われています。
高級なツゲ玉は幹の中心に近い部分から作られているので、密度が高く何十年経っても品質が変わらないとされています。
価格も手頃なカバ玉
多くの木製そろばんに使われるのがカバ玉です。茶色く視認性が良いのが特徴となります。幹の外側の白樺よりも内側の赤樺の方が堅く高品質とされています。
そろばん人気おすすめ商品TOP10
販売されているそろばんの中でも、特に人気のある商品をランキング形式でご紹介します。初めてそろばんに触る入門者から検定を受ける上級者の方まで、それぞれに求める品質は変わります。
ラインナップの商品には様々な特徴を持ったものが揃っているので、求める品質のものが見つかるのではないかと思います。満足できる商品を探せるように、参考にしてください。
そろばん ソロバン 23桁 4玉 ワンタッチ ご破算 算盤 プラスチック製 初心者向き スタンダード _85355
ボタンを押すだけで珠払いができるので、スピーディーに計算できるそろばんです。1秒を争うような検定にも、このワンタッチでのご破算は役立ちます。4玉23桁の一般的なサイズなので、手軽に始めたい初心者の方におすすめです。
学校や塾で使用する一般的な規格なので、使い方に慣れるためにも役に立ちます。サイズは横34cm×縦6cmのプラスチック製です。
雲州堂 そろばん ソロマチック 23桁 USM-153 ツゲ玉
緻密で堅い上質なツゲ材を使った玉のそろばんです。プラスチック製とは異なり、弾いた時に玉が戻らないので使い勝手が良い商品となります。上級者はもちろんのこと、これから本格的にそろばんを始めたい方にもおすすめです。
ご破算はワンタッチで行えるので、検定試験のような時間を争う時に便利に活用できます。サイズは横334mm×縦66mm、重量は400gとなります。マグネット式のハードケースもついているので、玉をしっかりと保護できます。
雲州堂 そろばん 23桁4玉 34500 カバ玉
手入れが楽なカバ玉を使ったそろばんです。使い込むほどに玉の動きもスムーズになるので、初心者のうちに購入しておくと良いかもしれません。
サイズは横336mm×縦66mm、重さは240gとなります。ツゲ玉と比べても手入れが簡単なので扱いやすい商品と言えます。ワンタッチのご破算機能は備わっていないので、自分のリズムで珠払いをしたい方にも向いています。
雲州堂 そろばんパック 23桁 U-23Eソロバンパツク#00 紺
プラスチック製ですがカバ玉色にすることで視覚的にも計算しやすく設計されているそろばんです。玉の動きもスムーズなので、初心者はもちろんのこと久しぶりにそろばんを始めたいという方にもおすすめです。
使い勝手の良さは枠の角を滑らかな曲線にしていることからも、こだわりを持ってデザインされていることが分かります。持ち運びにも便利なソフトケースがついています。重さも178gと軽く、子供でも扱いやすい重量となっています。
トモエ算盤 そろばん 23桁 A型スタンダード 43500 樺玉
カバ玉を使っているので、木の玉を弾く感覚に慣れている方にもおすすめの商品です。玉は軽く滑りも良いので、スピードを重視する方にも向いている商品ではないでしょうか。
フレームはプラスチック製となっていますが、気温が高いところでも歪むことなくスムーズに玉を弾くことができます。ワンタッチ機能はついていなのでリズムに乗って計算する方にもおすすめできます。
トモエ算盤 そろばん 23桁 ワンタッチ ON600 樺玉
カバ玉を使った本格的なそろばんです。ワンタッチでの珠払いができるので、スピードを求める計算をする方におすすめできる商品となります。
カバの木材による玉の安定性には定評があります。すべりも良いのでストレスなく計算することができます。初心者から上級者まで満足できる品質と言えます。枠には指なりのへこみもついているので、使い勝手も良くなっています。
ダイイチ 播州そろばん 播州カラーそろばん12(パステル) BJC-12P
パステル調の可愛らしい色の玉が特徴的な木製そろばんです。玉は大きめのカバ材、枠は家具などで使われるホワイトアッシュです。楽しみながら使えるので、これからそろばんを習うお子様におすすめです。
サイズは12.5cm×7.5cmの12桁、重さは85gほどと軽量です。玉も軽く、小さなお子様が簡単に弾くことができる商品となっています。
雲州堂 そろばん ソロマチック 23桁 USM-65 カバ玉
ワンタッチでご破算ができるカバ玉のそろばんです。カバ材の玉は濃く見やすいので、ご高齢の方でも計算しやすいのが特徴です。指に馴染みやすいので、使っているうちに愛着が沸くのもカバ材の良さと言えます。
サイズは334mm×66mm、重さは400gと適度な重量感なので、スピード計算をする際にも安定させて使用できます。初心者から使い込める商品です。
トモエ算盤 スタンダード算盤 43300 4×23
カバ玉を使ったトモエの定番商品です。速いスピードで弾いても玉戻りしにくいので、これから本格的にそろばんを始める初心者から上級者の方にもおすすめできる商品と言えます。
玉の滑りも良く、品質には定評のあるトモエらしいそろばんです。昔からそろばんで計算している方でも違和感なく使用できる、安心感のある一品ではないでしょうか。
そろばん 23桁 スタンダード 算盤 ソロバン 学習 や 計算 にも
初心者の練習用に手軽に使える、プラスチック製のそろばんです。お手頃な価格でありながらも、木製の枠のように気温の変化によって歪むことなく安定した使いやすさが得られます。
玉は軽いのでスピード計算には向いていませんが、これから習い始めるようなお子様にぴったりの商品です。サイズは360mm×65mm、軽くて扱いやすいのが特徴です。
そろばんの効果的な使い方
そろばんはできる限り手に馴染んだものを長く使いたいものです。検定試験を受ける前に壊れてしまうと、新しいそろばんでは普段の実力を発揮できない、なんてことにもなりかねません。
そこで、そろばんはどのように使えば良いのかをご紹介したいと思います。普段の手入れやメンテナンスについてしっかりと頭に入れていただければと思います。
そろばんは湿気が苦手
木製のそろばんは湿気が苦手です。湿気を含んでしまうと玉が太り、スムーズに滑らなくなってしまいます。そのために普段の手入れや保管では、湿気を避けることを意識する必要があります。
基本はケースにしまっておくこと
そろばんをむき出しに置いておくと、湿気の影響を受けてしまいます。使った後は必ずケースにしまっておきましょう。購入したそろばんにケースが付属していなければ、別途に購入する必要があります。
ワンタッチボタンを保護するために
そろばんにはワンタッチでご破算できるものがあります。この機能を壊さないためにもケースは必要です。ぶつけたり何かに当たった衝撃で、ボタンが壊れることを防ぐためです。
乾いた布で拭いておくこと
普段のそろばんの手入れとしても、湿気を取ることを意識しましょう。汚れを拭き取る際には乾いた柔らかな布で、玉や枠を綺麗に拭いていきます。
ほこりや汚れが付着したままだと、そこに湿気が入り込みこびりついてしまいます。玉の内部に入り込んでしまうと、玉が滑りにくくなってしまいます。
玉が動きにくくなった時の手入れ
しばらくそろばんを使っていないと、玉が動きにくくなる場合があります。大抵は玉と竹芯の間に手脂やほこりが入り込み湿気を含むのが原因です。
このような場合には、柔らかいブラシを使って、玉と竹芯の間を掃除する必要があります。その後で布を使って綺麗に拭き取っておきます。
掃除をしても玉の動きが悪い時
ブラシを使って掃除をしても玉の動きが悪いようであれば、竹芯にすべり粉(すべらし粉)をふりかけてみましょう。その際には極力少量に抑えるように、余分な粉は拭き取っておくことが大切です。
すべり粉を使っても改善しない場合
すべり粉を使ってもまだ玉の動きが悪いような場合、竹芯が水分を含んで膨張している可能性があります。このような場合には竹芯を交換する必要があります。
ただし竹芯を交換する前に、ベンジンを使って洗浄してみると良いかもしれません。脱脂綿にベンジンをしみ込ませて玉の上から拭き、玉穴にしみ込ませるようにします。ベンジンは揮発性が高いので、木にしみ込むようなことがなく安心です。
その後そろばんを斜めに置いて15分ほど様子を見ます。玉穴から汚れが出てきたら拭き取り、乾いた布でしっかりと乾拭きをしておきます。
ドライヤーで乾かすのは避けること
汗をかきやすい方の場合、玉に汗が付着することで動きが悪くなる場合があります。表面は布で拭き取ることができますが、玉穴に入り込んだ水分は乾燥させる必要があります。
そこで早く乾燥させようと、ドライヤーを当てるのは避けましょう。木は急激に乾燥させたり高温を当てることによって様々な影響を受けます。
木枠が歪んでしまったり、玉にひびが入ることもあるので注意が必要です。ドライヤーを当てるよりも、エアコンや扇風機の風に当てておいた方が良いでしょう。できれば風通しの良いところで自然乾燥させるのが一番です。
雨の日はビニール袋に入れて持ち歩くこと
雨の日は特に注意が必要です。ケースに入れていても、雨に当たると内部に水滴が入り込みそろばんに付着してしまいます。特に子供は頓着しないので、ビニール袋にくるんでからバッグなどに入れておくと良いでしょう。
ワンタッチ機能が故障したら修理を
ワンタッチボタンでご破算ができるそろばんがあります。この場合、湿気により金属が錆びてしまうことで動かなくなる場合があります。
そのような時にはメーカーに連絡した上で、修理対応していれば直してもらいましょう。破損している場合でも、金具部分を交換すれば元に戻ります。
子供がジュースをこぼしてしまったら
お子さんは特にジュースやお菓子をそろばんの上にこぼすことがあります。これらには糖分が含まれるので、ベンジンを使って取り除く必要があります。
まとめ
そろばんも品質によって価格に差があることが分かります。ただし高品質であれば良いというわけではなく、自分に合うものを選ぶということが大切です。
また手入れもしっかりと行うことで、長く愛用することができます。お気に入りのものを選んで、手に馴染むようになると嬉しいものです。ぜひ満足できるものを選んでいただきたいと思います。