ケーキを美しく仕上げるために欠かせないアイテムのひとつが、パレットナイフです。製菓用品をチェックしてみると、さまざまな商品が販売されています。同じような形をしていますが、選び方次第で使いやすさやケーキの仕上がりも変わってくるので、意外と侮れないもの。
価格で決めるのではなく、ぜひ選び方もチェックしてみませんか?おいしいケーキ作りに大活躍してくれること間違いなし。ぜひ人気の商品をはじめ、購入の際に参考にしていただければ幸いです。
パレットナイフの選び方
パレットナイフを選ぶ際にどんなことに気をつけなければならないのか、ケーキ作りを専門としているパティシエの方ならお分かりかもしれませんが、最近ケーキ作りが趣味になったばかり、これからはじめてみようと思っている、なんて方にとっては「これがいい道具である」と見極めることは難しいかもしれません。
「初心者だから、そんなにいい道具を使っても使いこなせない」と思われるかもしれませんが、パレットナイフを含めて実はそうとも言い切れないのです。むしろ、プロ仕様に近いものを選ぶことでよりきれいに、扱いやすくなることも珍しくありません。価格が安いから、とそれだけで決めてしまうのはもったいないことです。
ではどうやって選べばいいのか、注目すべきポイントはどこなのか。今回は選ぶ際に気をつけたい点をまとめてみたいと思います。
サイズで選ぶ
パレットナイフは実はよく見てみると、それぞれに大きさが違います。短いものですと15cm程度、長いものになると30cm以上のものもあります。人によって手の大きさも違いますし、実際に握ってみると使いやすいと感じられるサイズもさまざま。また、作るものによっても変わってきます。
短めのものを選ぶメリット
15cm前後のものは、とにかく初心者向けであること。これがまずひとつ挙げられます。15cmほどですと、やや短めのため作るケーキの大きさによっては作業がしづらい場合もあるでしょう。18cm程度になると、ほとんどの作業もやりやすくなりますし、幅広く使っていただけるのがメリット。慣れないうちは18cm前後を目安にするといいかもしれません。
まだパレットナイフを使ったことがないという方にとっては、こちらのサイズを選ぶことをおススメします。長過ぎず、コントロールしやすいので使い慣れていない方でも比較的楽に作業を進めることが出来るでしょう。かえって小さすぎるものを選ぶことで扱いづらさを感じることもありますので、たった数センチではありますがよく見極めてください。
長めのものを選ぶメリット
お菓子づくりに慣れてきた方、作るお菓子によってはあまり短いとコントロールしづらかったり、クリームにムラができてしまいがち。仕上がりをより美しくしたい、という時は25cm前後のものを選ぶのがおすすめです。さまざまなお菓子に幅広く使うことが出来ますので、ひとつあって損はないでしょう。
もちろん長いため、はじめのうちはなかなか上手くできないかもしれません。しかしコツを掴むことでクリームを均一に伸ばすことができるようになるなど、仕上がりの差は歴然。長めのものを使えるようになれば、ほとんどのお菓子にも対応できるのではないでしょうか。
刃の形で選ぶ
パッと見ると同じように見えるパレットナイフですが、刃にはそれぞれ違いがあります。注目していただきたいのが、パレットの柄の部分から先端までのライン。一直線に伸びているその様子は真っすぐ並行ですか?それとも先端にかけて細くなっていますか?
ちょっとした違いではありますが、このわずかな刃の形の違いで扱いやすさもずいぶん変わってきます。それぞれどういった特徴があるのか簡単にまとめてみましょう。
先端まで真っすぐな刃
先端まで真っすぐに伸びた刃は、生クリームを塗る作業(ナッペ)の際に扱いやすいというメリットがあります。一直線になっているので、作業がぶれにくくしっかりと伸ばすことが出来ます。特に、まだ初心者で慣れない方にとってはこの微妙な幅の違いが出来映えを左右することもあります。
ナッペをきれいに行いたい、まずはひとつオーソドックスな形を、という方はこちらのタイプを選ぶのがおすすめでしょう。
先端にかけて細くなる刃
こちらは、ナッペでも使用することができますが、やや力加減などコントロールが難しく感じてしまうこともあるかもしれません。ですがもちろん使えないわけではありませんので、むしろこちらの方が扱いやすさを実感できる方も。手のクセや、持ち方などでも若干変わってくるかもしれませんね。
こちらの形はデコレーションの際に用いたり、生地を天板から切り離す際など、細かな作業を行う時にも役立ってくれます。用途に合わせて選ぶのがおすすめですので、できれば先ほどの真っすぐなものと細くなるもの、両方があると便利でしょう。
しなり加減で選ぶ
パレットナイフは実際に刃の部分に触れてみると分かるのですが、それぞれに「しなり」が違います。よくしなるもの、しなりが少ないものと特徴があるため、注意して選ばなければなりません。なぜなら、このしなり具合によっても扱いやすさが大きく変わってくるからです。
安価なパレットナイフの場合は刃のステンレス部分が分厚くできていることが多い為、作業効率を著しく低下させてしまうことがあります。絶妙なしなりがあることで細かな部分にもアプローチしやすくなりますので、些細なことではありますが作業効率もずいぶん変わってくるでしょう。意外としなりは侮れない部分です。
価格によってしなり具合が違う場合が多い
平均的に見て、100円均一などで販売されているパレットナイフはしなりが少なく硬いものが多いようです。1000円以下のものでも、手頃な価格ではありますがある程度のしなりがある商品も多いので、まだ初心者の方であればこちらを選ばれると安心できるかもしれません。
1000円以上になってくるとずいぶん質も良くなってきます。おおむね、このラインの商品を買えば失敗することはないでしょう。さきほどよりも、よりしなやかさが増すことで扱いやすく、さまざまなお菓子づくりにも役立ってくれるはずです。
プロ仕様のものになってくると3000円以上、もちろん一万円程度するものも。この辺りは文句をつけることはありません。お菓子づくりを専門としている方も使っているアイテムですので、より繊細な作業にも用いることが出来るでしょう。ただしいきなり初心者が購入するものとしては、些か張り込みすぎかもしれません。
自分の身の丈にあったもの、使いやすさを基準に選ぶようにしましょう。少しずつステップアップしていくといいかもしれませんね。
パレットナイフ人気おすすめ商品TOP10
ここからはおすすめしたいパレットナイフをランキングでご紹介したいと思います。ぜひ、購入前にチェックしてみてください。
パレットナイフ ステンレス SOEKAVIA ストレート クランク L 2本セット スパチュラ ケーキ装飾 32cm
良質なステンレスを使って作られたパレットナイフです。柄部もステンレスとなった一体型で、ポイントは人工工学によってデザインされた形。すっきりとした見た目の印象だけでなく、長時間使っても疲れにくいなど、使いやすさの面においてもこだわりが感じられる商品ではないでしょうか。
刃はほどよく弾力があるため、しなり具合も使いやすさにおけるポイント。厚さが均一になっているので、しっかりと効果的に製菓作りに役立てることが出来ます。摩耗に強く硬さもあり、また洗いやすいなどお手入れのしやすさも魅力的。長さがあるので、パレットナイフを使い慣れてきた方にもおすすめです。
Toginon 黒プラ柄スパチュラ/ストレート(パレットナイフ) 310mm S-310
パティシエの要望を取り入れて作られたこちらのアイテム、スポンジケーキに生クリームを塗る作業など、お菓子づくりの際にも小回りが利きやすくなっているなど形状へも工夫が盛り込まれています。柄元が細くできており、にぎりやすくなっていることから疲れにくく作業効率を下げさせません。
刃はステンレス鋼を、柄にはグリップ感のある樹脂を使用しており、150℃の熱にも耐えられる安心設計。食洗機や熱湯消毒も可能なので、いつでも清潔に保ちやすくなっています。ブレード表面も鏡面仕上げで拭き取りやすく、いつでも衛生的にお使いいただけるのが大きな魅力でしょう。
貝印 パレットナイフ (M) DL-5111
シンプルで使いやすいデザインのパレットナイフです。ケーキの表面にクリームを塗ったりのばしたりするのはもちろん、生地を平らにしたりあらゆる場面で使っていただける便利なアイテムでしょう。ステンレス素材を採用することで丈夫で長持ち、安心して使い続けていただける商品となっています。
ほどよい弾力性を持つことで、作業効率も非常に高まります。お菓子づくりにハマりはじめた方にとっては、まずひとつは持っていて損はないはずです。食洗機にも対応しているので、使ったあとはすぐに庫内に入れて洗浄完了。いつでもお手入れ簡単、きれいを保てるのがいいですね。
木柄 薄口 パレットナイフ No.2
やや小ぶりなサイズで手にすっぽりと収まりやすいパレットナイフです。柄の部分は木で出来ていることから、ナチュラルな印象をお求めの方にもおすすめ。シンプルなデザインながらも個性を感じさせてくれるので、お家のインテリアに合わせて見た目にこだわってみるというのもいいかもしれません。
レストラン向けの業務用調理器具としても使われているなど、本格仕様なところもポイント。使うたびに手に馴染んでいくので、ぜひお菓子づくり以外にもさまざまな場面で活用してみたいですね。まずは小さめのサイズから試してみたい、パレットナイフ初心者の方にもおすすめです。
貝印 Kai House Select クリーム塗りや型はずしに便利な パレットナイフ 23cm DL-6276
ステンレス刃のコンパクトサイズなパレットナイフです。柄部はポリプロピレンを採用していますが、耐熱温度は110℃とある程度の熱にも強いので、お料理の際やお手入れ時にも安心してお使いいただけるでしょう。パレットナイフをまだほとんど使ったことがない、という方も扱いやすい大きさになります。
型はずしやクリーム塗りなど、お菓子づくりに必要な作業もこれがあるだけでずいぶん捗ります。お菓子づくりをこれからどんどんやってみたい、小回りのきくパレットナイフがほしい、そんな方におススメしたいアイテムでしょう。きれいな仕上がりにも欠かせませんね。
Kanetsune ステン木柄スパチュラ 6インチ 15cm WH-6
プロはもちろんのこと、ご家庭で使用する場合など幅広くお使いいただけるのがこちらのオーソドックスなパレットナイフです。ケーキ作りなど製菓はもちろんのこと、さまざまな調理に役立てることが出来、クリームを塗ったりすくったり、混ぜたりとあらゆる作業にも適している調理器具になります。
先端に行くほど薄く梳いてあるので、しなりもほどよくあり扱いやすさ抜群。15cmですので、まだパレットナイフを使い慣れていない方でも比較的やりやすく感じられるのではないでしょうか。大きなこだわりがない方、まずは慣れるために使ってみたいという方にもおすすめの商品でしょう。
パール金属 ラフィネ ステンレス製 パレット ナイフ 28cm D-6206
刃はステンレス鋼を、ハンドル部分にはラバー塗装ABS樹脂を使用した商品になります。全長は28cm、刃の部分は15cmと初心者の方にもちょうど扱いやすいサイズではないでしょうか。ラバーハンドル仕様となっていますので持っている際にも滑りにくく、手に当たったときもソフトで優しくフィットします。
ケーキ作りに役立つクリーム塗りや、生地を平らにしたりする作業など、デコレーションに至るまでの工程もスムーズに行いやすくなっています。お菓子づくりをこれから本格的に取り組んでいきたい、という方も練習のために、という方も、どなたにもおすすめできる商品ではないでしょうか。
ローズ柄スパテル 11吋 / 1本 TOMIZ(富澤商店) 仕上げ パレットナイフ・シフォンケーキナイフ
使い慣れてくると小ぶりなものでは物足りなさを感じる方も多いのではないでしょうか。こちらは全長40cm、刃渡り27.5cmとパレットナイフのなかでも長めのものになります。適度な長さがあることで、多彩なデコレーションや作業に役立てやすくなっていますので、小さめのものでは物足りなさを感じてきた、という時にもおすすめです。
シフォンケーキナイフとしてもお使いいただけるなど、アイデア次第で幅広く活用していただけるでしょう。柄の部分もフィットしやすくなっていますので、手に自然と馴染む感じがいいですね。ぜひその使い心地を実感してみてはいかがでしょうか。
ローズ柄スパテル / 6吋1本 TOMIZ(富澤商店) 仕上げ パレットナイフ・シフォンケーキナイフ
全長は27.5cm、刃渡り15cmと初心者の方にも扱いやすいサイズのパレットナイフです。柄の部分もゆるやかなカーブを描くことで、手に馴染みやすいサイズでしっくりくるでしょう。ほどよい弾力があるので、クリームを塗ったり伸ばしたりと、あらゆる動作にも向いています。お菓子づくりにも最適なアイテムでしょう。
ケーキの仕上げや生地を平らにならす際などが特におすすめですが、その他の調理にも色々と役立てていただけます。大きすぎず小さすぎず、をお求めの方にとっても使いやすい大きさですので、はじめてのパレットナイフとしてもいかがでしょうか。
ハイベント パレット 18cm / 1本 TOMIZ(富澤商店) 仕上げ パレットナイフ・シフォンケーキナイフ
ステンレス素材のパレットナイフは、一般的なサイズの中でもちょうど使いやすい刃渡り18cm、ちょっと慣れてきたところ、という方にとっても扱いやすい大きさではないでしょうか。ほどよく柄の部分が曲がっていることで、握りやすさを追求されているのもポイント。しっかりとしたつかみ心地で、安定した動作に向いています。
シフォンケーキナイフなど、あらゆるお菓子づくりや場面で活用することが出来るのもポイント。見た目もとてもスタイリッシュなので、台所のインテリアにもこだわっている、という方にもおすすめです。
パレットナイフの効果的な使い方
パレットナイフをできるだけ効果的に使用するためには、いくつか気をつけたいことがあります。ひとつは先ほどもご紹介したように、ご自身の手になじむアイテムを見つけるということ。どんなに人気商品であったとしても、ご自身が使いづらいと感じてしまえばそれはいい商品とは言い切れないかもしれません。
効果的と感じるために押さえたいポイント
そこで、効果的な使い方としてパレットナイフを役立てるためのポイントをいくつか挙げてみましょう。もちろんすべてを実行しよう、意識しようとする必要はありませんので、ぜひ参考程度に役立てていただけると幸いです。
お手入れのしやすさがポイント
パレットナイフは当然のことながら、食品に対して使用するアイテムです。つまり、最も気をつけなければならないのが「衛生面」でしょう。パレットナイフに限らず、食品に関わるものは基本的に衛生面においてはかなり気を配る必要があります。美味しさというのは清潔のうえに成り立つものでもあります。
素材によっては洗うたびに劣化しやすいものもあるため、こまめに使っていこうとお考えの方にとっては「お手入れしやすいかどうか」というのは意外と重要なポイントになります。例えば食洗機など高温で洗浄することが出来るものなのか、手入れが難しいものではないか、というのは見落としがちなところではないでしょうか。
丁寧に洗うというのはできるだけ心がけたいところではありますが、気兼ねなく手入れできることも大切です。そういった点すべてを含めた使いやすさを追求してみることで、選ぶべきアイテムも見えてくるはず。効果的であるという定義は、こういった要因もあるということを覚えておくといいかもしれませんね。
必要なアイテムと組み合わせる
主にパレットナイフはケーキ作りの際、ナッペなどの作業を行う時に使えるアイテムです。しかし、いくらパレットナイフがいいものであっても、これだけでは十分にケーキをデコレーションしたりすることが難しい場合も珍しくありません。そこで、回転台などの必要なアイテムと組み合わせることをおすすめします。
ひとつだけではやりにくかった作業も、他の便利なアイテムと組み合わせることでよりやりやすく、効率もアップしやすくなります。パレットナイフ自体が優秀なアイテムであることに変わりはありませんが、それだけでなんとかしようとするのではなく、うまく組み合わせを考えてみるといいかもしれませんね。
上手に使うことで、よりパレットナイフの良さを引き出すことも出来るでしょう。パレットナイフは主役でもあり引き立て役でもある、そのポジションは臨機応変に変化します。慣れないうちはなかなかうまく扱えないことも多いかもしれませんが、ぜひさまざまなアイテムと組み合わせてその真価を発揮させてみてはいかがでしょうか。
まとめ
お菓子づくりに欠かせないアイテムの一つがパレットナイフですが、意外と選ぶ際にあまりこだわっていない、どんなことに気をつければいいのか分からない、という方も少なくありません。毎日のお料理に欠かせない調理器具の必須アイテム、というわけでもありませんので仕方のないことかもしれませんね。
ですが、ちょっとしたことに気をつけてみるだけでとても便利で優秀な、エース的存在になってくれることも。ぜひ購入前に少しだけ気をつけて選んでみてはいかがでしょうか。