家で出来立ての温かいパンが食べられるパン型。手間はかかるけれども、自分好みの味を生み出せることもパン型で焼く魅力と言えます。
そこで今回はそのパン型の選び方をご紹介します。材質や形が変わることで、パンの作りやすさなどは変わります。使い勝手の良いものを購入するためにも、参考にしていただきたいと思います。
パン型の選び方
自宅でお店のようなパンを手軽に作れるようなパン型の選び方をご紹介します。パン型はサイズや形、材質などによって焼き上がりが変わってきます。どのような使い方をするのかによっても、選ぶべき商品は変わります。
焼きやすさや仕上げのしやすさ、あるいは手入れが楽かどうかをチェックするためのポイントを挙げていきます。ぜひ参考にしてみてください。
簡単に焼けるのはアルタイト
パン屋さんで多く使っているのがアルタイト、つまりスチールにアルミを加工したタイプのパン型です。焼き上がったパンの型離れがよいので、崩すことなく綺麗に仕上げることができます。
錆びにくく手入れも簡単なので、手軽に本格的なパンを焼くことができます。その代わりにパンを焼く前に空焼きをする手間は必要になります。
使うほどに馴染んでくるのもアルタイトの魅力と言えます。焼き色もしっかりとついてパリッとした食感が楽しめます。重量が重いのが難点かもしれません。
短時間で焼き上げるブリキ
アルタイトよりも熱伝導率が高いのがブリキのパン型です。短時間でこんがりとおいしく仕上げることができます。手入れには手間がかかりますし、しっかりと乾燥させないと錆びが発生します。またアルタイト同様、使用前には空焼きが必要です。
アルタイトよりも短い時間で焼けるので水分が内部に留まり、ふんわりと仕上がるのが特徴です。内層と表皮を同時に焼くことになるので、耳もやわらかくなります。ブリキ製のパン型は軽く、また価格も安い点も魅力と言えます。
パンが張り付かないテフロン加工
パン型の内側にテフロン加工が施されていると、アルタイトよりもさらに綺麗に型外しができます。手入れも簡単なので手軽にパンを焼きたい方におすすめです。焼き色はつかないので、本格的なパンを焼きたいという方には物足りないかもしれません。
使っている方の声としてもやはり、パンが張り付かないことが高く評価されています。洗いやすいという点でも人気があります。他にもシリコン加工されたものもパン生地の型離れがよいことで人気です。
黒糖入りの生地などは、アルタイトやブリキではしっかりと張り付いてしまうので、テフロンやシリコンなどで加工されたパン型が必要になります。
サイズの選び方
パン型には1斤や1.5斤など色んなサイズのものがあります。単純に数が大きくなれば、それだけ大きなパンが焼けるということになります。
ただしここで知っておきたいのは、1斤という単位は実は明確に定義されているわけではないということです。つまりメーカーが違えば、同じ1斤でも焼ける生地の量が変わります。
そこで厳密には何cmあるのか、どのくらいの生地を入れることができるのかをチェックすることになります。1斤用のパン型を購入したのに、普段お店で買うパンよりもはるかに小さいというケースもあります。
サイズが大きくなると焼き時間が長くなる
2斤ほどの大きさになると、中まで火が通るのに時間がかかります。場合によっては小さなサイズを2つ購入して焼いた方が早く焼き上がるかもしれません。
あるいはアルタイトの代わりにブリキ製のパン型にすると、熱伝導率が高いので時間を短縮できます。焼くパンの量に応じてサイズや材質、あるいは個数を考えると良いでしょう。
用途に応じてサイズを選ぶ
パンは生地の作り方によって色んなものを焼くことができます。家族の人数が多いのであれば、サイズの大きなパン型が必要になります。けれども甘いパンや総菜パンなどは、続けて食べると飽きてしまいます。
つまり大きなサイズのパン型で沢山焼いても、食べきれないこともあるというわけです。そこで変わり種のパンを作るために、小さなサイズのパン型を用意しておくのも良いかもしれません。
形にも注意が必要
市販の食パンは正方形をしているのが当たり前ですが、パン型には台形のものが多くあります。これは焼き上がった時に型離れしやすいからですが、真四角のパンを焼きたいのであれば形もチェックする必要があります。
商品紹介の欄には、型に勾配がついているか否かまでは記載されていません。そこで口コミなどを参考にして、形を必ずチェックするようにしましょう。
細長い形は複数の山形パンが焼ける
パン型には正方形のものと長方形のものがあります。市販されているようなパンを焼くのであれば正方形を、小さくカットして大勢で食べるのであれば長方形が良いでしょう。
また細長い長方形のパン型は、小さな山形パンをいくつか焼く時にも便利です。山形パンを複数作る場合には、生地の成型も簡単なので楽に作業できます。
パン型人気おすすめ商品TOP10
販売されている様々なパン型の中でも、人気のある商品をご紹介します。サイズや形に色んな組み合わせが見られるので、参考になるかと思います。
使い勝手も異なる場合はあるので、細かくチェックすることで商品選びの時に役立ちます。焼き上がりに関してはどれも高い評価を得ているので、この中から気に入った商品を選んでみても良いかと思います。
タイガークラウン フタ付きパン焼アルスター2.0斤 1665
熱伝導率の高いアルタイトのパン型です。フタはスライド式なので勝手に持ち上がって外れる心配がありません。焼き上がりの後はパンが型から簡単に抜ける点が評価される商品です。
スライド方式のフタも開けやすく、手入れも楽な点も人気の高い理由です。焼き上がりのパンの断面がスライスチーズのサイズに近いので、サンドイッチ用にもおすすめできます。
タイガークラウン スクエアブレッド型 0.5斤 2382
スチールアルミ加工のアルタイトによるパン型です。0.5斤とおひとり様におすすめの商品と言えます。勾配がなくきちんとした四角形なので、パンの抜けに関してはいまひとつといったところです。
モーニングなどで人気のサイコロパンも簡単に作れる点で人気があります。これから捏ねを練習する人にとっても、手頃なサイズではないでしょうか。
型 アルタイト 食パン型キューブ60角 フタ付 MS
やわらかなデニッシュなどを焼くのに便利な6cm角の小さなパン型です。アルタイト製なので焼き上がりはパンが抜けやすく、やわらかなパンでも崩れずに綺麗に抜けます。
薄く切ってサンドイッチにするのも良いですし、ハムやキュウリなど色んなものを挟んだりオープンサンドにするのも良いでしょう。ひとりでも食べきることができる大きさなのが人気です。
スルトン 食パン型(フタ付) 1.5斤 WST03015
表面にフッ素加工を施しているので、商品名の通りスルッと生地が型離れします。手入れも洗剤を使って洗うだけなので、扱いが非常に楽な商品です。
パン生地に色々と練り込みたい方におすすめです。アルタイトやブリキではこびり付いてしまいますが、この商品であれば色んなパンを焼くことができます。ただしカリッとした焼き上がりには向いていないので注意が必要です。
タイガークラウン フタ付きパン焼アルスター1.0斤 1660
アルタイトの型離れが良いパン型です。市販の1斤のパンよりは小さめのサイズで焼きあがります。フタは浮かぶことがないように、スライド式になっている点が評価されています。
焼き色も綺麗についておいしく仕上がると人気の高い商品です。生地離れの良さも秀逸なので、使いやすい商品と言えます。少し勾配がついているので、真四角ではなく台形の形で仕上がります。
遠藤商事 アルタイト食パン型(フタ付) 1斤
アルタイト製の焼き色が綺麗なパン型です。1斤用ですが細長い形をしているので、カットすると小さなパンになります。色んなものを挟んでサンドイッチにしても良いかもしれません。
液状のものを入れると底からじんわりとにじみ出るので、クッキングシートなどを使うと良いでしょう。使い込むほどに型離れも良くなり、綺麗に焼き上がることで人気の商品です。
アルタイト食パン型・スリム[フタ付・日本製] (2個セット)
スリムなスタイルのパン型です。小さくカットすれば大勢で楽しむことができます。サイズは内寸が60mm×248mm×深さ60mmです。
2個セットになっているので、生地を変えて種類の違うパンを焼くといった楽しみ方ができるでしょう。ひとつはオーソドックスに食事用に、もうひとつはおやつとして食べることもできそうです。色んな生地を作ってみたいという方にもおすすめの商品です。
遠藤商事 アルタイト食パン型(フタ付) 2斤 WSY03020
業務用のずっしりとした存在感のアルタイト製パン型です。耐久性が高いので、長く使用することができます。2斤サイズで焼けるので、家族の人数が多い場合に便利でしょう。
大きいので中まで火が通るのに時間がかかるという声もありますが、その仕上がりは高い評価を得ています。型離れも何度か使っているうちに良くなっていくようです。勾配があるので台形型の仕上がりになります。
タイガークラウン パン焼 角型フタ付 2375
小さめの1斤用アルタイト製パン型です。台形ではないので、四角いパンが焼けます。カットして食べても良いですし、あるいははちみつをかけたりアイスを乗せてサイコロトーストとして食べても良いでしょう。
ほどよい大きさなので手軽にパンが焼けることで人気の商品です。型離れも良く綺麗に仕上がる点も評価されています。商品の仕上がりもバリなどが無く、細部までしっかりとしているので安心して使用できます。
富士ホーロー 食パン焼型 1斤
フッ素加工により簡単にパンが焼けるパン型です。型離れも良く、楽に洗って保管できます。サイズも1斤なので手軽にパン作りが楽しめる商品と言えます。パウンドケーキなどを作るのにも重宝します。
フッ素加工によるホーローの扱いやすさが高評価につながっています。焼き上がりも内部が均一に、キメの細やかな仕上がりになるのでおいしくいただけます。焼いた後の手入れは簡単ですが、ホーローに傷がつかないように注意する必要はあります。
パン型の効果的な使い方
パン型は長く使っていると次第に馴染んでくるので、生地の型離れも良くなっていきます。けれども初めて使用する時や、普段の手入れでは注意しておきたいことが色々とあります。
せっかく購入したパン型をすぐにダメにしてしまうことがないように、知っておきたいポイントを挙げてみました。ぜひ参考にして、おいしいパン作りに役立ててください。
初めて使う時は焼き込みが必要
パン型を購入したら、新品のうちにすぐ使ってみたくなりますよね。でもその前に、下準備をしておかないと大変なことになります。アルタイトやブリキなどのパン型はいきなり高温のオーブンに入れると歪んでしまいます。一度歪むと元には戻らないので、注意が必要です。
また生地の型離れも悪くなるので、最初は焼き込みという作業を行います。この焼き込みをしておくことで、型が歪むことがありませんし。生地離れも良くなります。ただし、シリコンやテフロン加工されたパン型は焼き込みは不要です。逆に表面処理が溶けてしまいます。
最初によく洗うこと
買ったばかりのパン型には錆び止めの工業用油が付いているので、洗剤でよく洗います。洗ったら水気をきれいに拭き取っておきます。
オーブンで焼く
余熱をしないオーブンにパン型を入れて250度設定で15分ほど空焼きします。ちなみに余熱なしで焼くことを、コールドスタートと呼びます。
オーブンから取り出して60度以下まで冷ましたら、ショートニングやサラダ油を軽く塗って熱くなっているオーブンで15分ほど焼きます。焼き終わったら再び油を塗って15分空焼きすれば終了です。
パン型は基本的に洗わないこと
使い終わったパン型は乾拭きをして汚れを取るだけで大丈夫です。ただし生地が張り付いて拭いただけでは取れないという場合、ナイフなどで無理に剥がすのはやめましょう。型に傷がついてしまうと錆びの原因になります。
パン型は油が付着することで次第に馴染むようになり、型離れも良くなっていきます。できる限り水洗いはせずに、油を十分に染み込ませていくようにします。
洗う場合は洗剤を使わないこと
どうしても洗いたいという場合には、洗剤を使わずに水洗いしてオーブンでよく乾かしておきます。その後に油を塗って保管しますが、油を塗らないと空気中の水分が付着して錆びてしまいます。
長期間保管したパン型は使う前に油を落とすこと
油を塗っておいたパン型を長い間使わないでおくと、油が酸化してしまいます。そこで使う前に一度洗剤を使って油をしっかりと落とし、オーブンで乾かしてから再度油を塗って使うようにします。
シリコン・テフロン加工のパン型の手入れは洗うだけ
シリコン加工やテフロン加工をしたパン型は、アルタイトやブリキとは違う手入れの仕方をします。まず購入してすぐに焼き込みをする必要はありませんし、油を塗って保管する必要もありません。
使用後には中性洗剤で洗い、乾燥させてから保管するだけで大丈夫です。ただし傷を付けてしまうと表面のシリコンやテフロンが剥がれてしまうので、注意が必要です。
生地が張り付いてしまう時のチェック項目
どうしてもパン型に生地が張り付いて綺麗にパンが外せないという時には、チェックすることがいくつかあります。新しいパン型を購入した時にも知っておくと役立ちます。
傷がついていないか
パン型は傷がついてしまうと生地が付きやすくなります。焼き上がった後に生地がついていても、竹串や割りばしなどでそっとこそぎ落とすのがポイントです。
空焼きを十分に行っているか
アルタイトやブリキは空焼きをしっかりと行って油脂ができるようにすることが大切です。油が馴染むまでは、パン生地を入れる前に空焼きをしておいた方が良いでしょう。
焼き時間が短くないか
焼き時間が短いと、生地がパン型に張り付いてしまいます。夏場などは特に長めに焼いておくと良いでしょう。
固形の油を塗っているか
生地を入れる前にパン型に油を塗りますが、固形の油を使うと生地のすべりが良くなって綺麗に外せます。バターは溶かさずにそのまま塗るのがポイントです。
テフロンが剥がれていないか
フッ素加工のテフロンやシリコンは、使っているうちに剥げていきます。表面加工をしているからと安心せずに、型離れが悪くなったら買い替える方が良いかもしれません。
生地は巻き成型で
丸パンの場合には伸ばした生地を発酵させ、ガス抜きをしたら丸めて焼くだけです。けれどもパン型で角食パンを作る場合、同じような感覚で生地を成型すると気泡が入ります。あるいは生地の目が粗くなり、内部が均一に焼き上がりません。
そこでパン型に入れる生地は、巻き成型をすることが必要になります。これは発酵させた生地を麺棒で丁寧に伸ばし、片側2/3を折ります。折った部分はしっかりと手で押さえつけて、同様に反対側も折ります。
ここで5分ほど生地を休ませてから、さらに麺棒で伸ばしてくるくると巻いていきます。巻き終わったら綴じ目を整えて完成です。油を塗ったパン型にそっと入れて、あとは焼くだけです。
ミニ食パンは丸め成型で
細長い形のパン型なら、いくつかの山パンをくっつけた形で焼くことができます。この場合には、それぞれのパンの生地を巻かずに丸めて詰め込むだけで大丈夫です。
まとめ
パン型は種類こそ少ないものの、用途に応じてサイズや材質、形などから最適な組み合わせを探す必要があることが分かります。そして購入した後の手入れもかなり重要であることがお分かりいただけたかと思います。
きちんと手入れをすることで、使い込むほどにおいしいパンが焼けるようになります。あとは生地作りから焼き加減まで、色々と試して納得の味を追求してみてはいかがでしょうか。