楽器がなくてもパソコンが1つあれば音楽が作れてしまう、デスクトップミュージック(DTM)をはじめたい方も増えているのではないでしょうか。パソコンとDTM用のソフトウェアがあれば、楽譜が読めなくても、楽器が弾けなくても音楽が作れますよ。
DTMで音楽を作り、再生して音を確認するには、パソコンのスピーカーやヘッドフォンでも良いですが、これらのスピーカーは、きれいに聞こえるようにサウンドを調整するものが多いです。
そのため、自分の環境ではきれいに聞こえるサウンドを、別の環境で再生すると、違って聞こえてしまうという場合があります。そこで、DTMをする方におすすめしたいのが、モニタースピーカーです。
モニタースピーカーは、原音を忠実に再生するのに向いていて、音声をモニタリングするのに最適ですよ。最近では低価格な上に高音質な製品も出ています。モニタースピーカーを使って1ランク上のDTM環境を作ってくださいね。
モニタースピーカーの選び方
モニタースピーカーは大きければいいという訳ではなく、設置する環境に合ったものを選ぶことが大切ですよ。また、聞きなれない専門用語も出てきますが、製品選びに大切なポイントを説明しますね。
台数
モニタースピーカーの商品には、単体で発売されているものと、2台セットになっているものがあります。2台セットのものは、左右のスピーカーが揃いますが、1台単位で発売されているものは、2台分を購入する必要がありますよ。
1台単位で発売されている場合は、実際には倍の予算が必要になりますので、気をつけてくださいね。また、1台単位で購入できる製品は、購入後に左右のどちらのスピーカーが故障した場合、1台分を購入すれば良いというメリットがありますよ。
サイズ
モニタースピーカーを購入する際には、サイズで選ぶことも大切なポイントです。実際にモニタースピーカーを置きたい場所を決めて、どのくらいまでのサイズのものが置けそうか、メジャーや定規などでスペースを測っておくと良いですよ。
モニタースピーカーのサイズは、大きく分けて、「ラージ」「ミディアム」「スモール」の3種類があります。サイズが大きいほど、最大音量が大きく、音域の幅も広くなります。
ラージサイズは防音がなされているスタジオなどに向いているものです。もちろん、自宅等の狭い部屋でも使えますが、最大近くまで音量を上げて使用すると、周囲への騒音になってしまうかもしれません。
また、スピーカーは音量をある程度上げて使用することで本来の性能が発揮できます。そのため、一般的な家庭用のDTMでは、スモールタイプのものが主流になっています。スモールタイプのスピーカーでも、一昔前のスピーカーに比べると、音質が良くなっていますよ。
スピーカーユニット
スピーカーボックスの中には、円形の形をした「スピーカーユニット」が入っています。通常は、スピーカーの前面にサランネットというネットがかぶさっていて見えませんが、スピーカーユニットの数が多いほど、広い音域を再現することができます。
音域は、高域から中域、低域に分けられますが、全ての音域を1つのスピーカーユニットで再現するよりも、複数に分けた方が広い音域を再現しやすくなります。
1つのスピーカーユニットで高域から低域までを再生するものを「フルレンジスピーカー」と言います。モニタースピーカーで主流になっているのは、高域を再生するための「ツイーター」と、中低域を再生するための「ウーファー」というスピーカーユニットを搭載した「2WAY方式」です。2つのスピーカーを使ってより広い音域が再生できます。
バスレフ型
スピーカーのキャビネットに穴が空いているタイプのものがありますが、これを「バスレフ型」と言い、モニタースピーカーでもこのバスレフ型の製品は人気がありますよ。
スピーカーユニットが多いほど音域が広がりますが、バスレフからは低域の音が出ます。低域が補強されますので、より広域な音域が実現できるようになります。バスレフがないタイプは「密閉型」と呼ばれます。
アンプの有無
音声を再生するためには、音源を生成する「プレーヤー」、音声信号を増幅する「アンプ」、音を再生する「スピーカー」が必要です。DTMでは、パソコンがプレーヤーになります。
スピーカーにはアンプを内蔵している「パッシブスピーカー」と、内蔵していない「アクティブスピーカー」があります。アクティブスピーカーの場合は、別にアンプを購入する必要がありますよ。アクティブスピーカーは、別にアンプを用意しないと音が鳴りません。
パッシブスピーカーは、アンプを買う必要がないため、機材の数を少なくしたい方や初心者の方にもおすすめですよ。
入力端子
モニタースピーカーとパソコン等の機器を接続するためには、ケーブルを使って機器のに付いている端子同士をつなぎます。モニタースピーカーには、様々な機器をつなぐために、複数の種類の入力端子を搭載しているものが多いです。
モニタースピーカーでは、フォーン端子、RCA端子、XLR端子が主流になっています。再生機器とつなぐために必要な入力端子が搭載されているか、確認をしてみてくださいね。
定格出力
アンプが音のひずみなく、再生できる最大の音量のことを「定格出力」と言います。定格出力は「W」(ワット)で表示されますが、ワット数が大きいほど、より大音量のサウンドが再生できますよ。
再生周波数帯域
スピーカーが再生できる音域の広さのことを「再生周波数帯域」と言います。再生周波数帯域は「Hz」(ヘルツ)て表記されます。
人間の聞き取れる音の周波数は、20Hzから20,000Hzと言われています。モニタースピーカーの再生周波数帯域が広いほど、無理のない安定したサウンドが再生できますよ。
モニタースピーカー人気おすすめ商品TOP5
それでは、モニタースピーカーの中でも特に人気の高いおすすめ商品を紹介していきます。
YAMAHA パワードモニタースピーカーMSP3 (1本)
ホームスタジオのユーザー向けとして、コンパクトなサイズの本体に20Wのアンプを内蔵したノンパワードタイプのモニタースピーカーです。10cm口径のウーファーと2.2cm口径のツイーターを搭載した2WAYバスレフ方式で、コンパクトながらもクリアな音質が期待できますよ。
接続端子は、XLRの他に、フォーン端子、ピン端子にも対応していて、さまざまな機器に接続できますよ。再生周波数帯域は65Hz~22kHzです。
YAMAHA パワードモニタースピーカーMSP3 (1本)の口コミ評判
DTM用にモニタースピーカーを探していて、値段、サイズ、評判などから選びました。ミニコンポのスピーカーくらいのサイズで自分の机にはこれ以外ないくらいフィットしています。やはり音は味付けのない音という感じで、非常に使いやすいです。
自宅録音などでは定番と言って良い機種です。音を小さくしても変にバランスが悪くなることもなく繋いでいるミキサーのパンポットやEQのつまみを動かすとその通りに気持ち良く変化します。定位も綺麗に見え、モニターらしく生真面目でフラットな音だと思います。
FOSTEX アクティブ・スピーカー PM0.3H(B)
自作スピーカーなどでも評判の良いFostex社のモニタースピーカーです。本製品は、定評のあった旧モデルがアップグレードし、ハイレゾに対応することで、高音質に磨きがかかったアクティブスピーカー。
7.5cm口径のウーハーと、1.9cm口径ツィーターを採用した2WAYバスレフ方式を採用しています。入力端子はRCAピンとステレオミニに対応していますよ。定格出力は15W+15W。再生周波数帯域は110Hz-40kHzになっています。
FOSTEX アクティブ・スピーカー PM0.3H(B)の口コミ評判
手持ちの音源がハイレゾばかりになり、ヘッドフォンだけではなくスピーカーでも楽しみたくて、PM0.3からの乗り換えで買いました。高音の伸び方はやはりハイレゾ対応だけあって、違いを感じられます。もともとのPM0.3が良い性能なので他も完成度が高いままなのも良い点です。リアバスレフは置き場所を間違えなければ、問題ないです。
バンドやったりしてますが、オーディオマニアでもなく、高級なスピーカーも使ったことがないですが、充分な代物だと思います。以前はサブウーハー付のものを使ってましたが、それは中音あたりがカスカスだったので、これにしてからはいい感じになったと思います。
ウーハ-はなしですが問題ないです。ベースもよく聴こえます。
Denon Professional アンプ内蔵 モニタースピーカー DN-304S
コンパクトでありながらも、高音質を追求したDENONのモニタースピーカーです。小型4インチ口径のウーハーと、1インチ口径のツィーターを採用した2WAYバスレフ方式を採用しています。
定格出力は20W。再生周波数帯域は75Hz〜20kHz。入力端子はRCAライン入力の他に1/8ステレオAUX入力に対応しています。1/8ステレオAUX入力端子は、本体の前面に付いていて、デスクトップ・ノートパソコンやスマートフォンなどを簡単に接続することができますよ。
Denon Professional アンプ内蔵 モニタースピーカー DN-304Sの口コミ評判
この価格、この大きさで、こんないい音。流石の音です!ミニスピーカーで一番気になる所が、すべてクリアされています。低音がしっかりと再生されています。
定位もしっかりしています。大音量はもとより、ボリュームを絞って、小さな音で聴いても、その良さは変わらず!コスパに優れてる。音もちゃんとしてる。さすがDENON!
最高です。DTMのモニターとして色々なメーカー使いましたが、このクラスのモニターで制作用に適してます。低音の鳴り方とかも分かるし、低くても音像が歪みません。10wクラスでこんな素晴らしいモニター新発売した事に、技術って進歩するんだなぁと、つくづく思いました。
FOSTEX パーソナル・アクティブスピーカー・システム PM0.3(B)
FOSTEX社は、自作スピーカーでも定評があり、本製品は、低価格でありながらも、高い音質とサウンドの再現性が評判を集めています。本製品は左右のスピーカーが1セットになったアクティブスピーカーです。
7.5cm口径のウーハーと、1.9cm口径ツィーターを採用した2WAYバスレフ方式を採用しています。入力端子はRCAとステレオミニに対応していますよ。定格出力は15W+15W。再生周波数帯域は110Hz-20kHzになっています。
FOSTEX パーソナル・アクティブスピーカー・システム PM0.3(B)の口コミ評判
この値段でも、かなりよい音が出ます。低音から高音までの広い音域で伸びやかで耳疲れはしません。楽器も声もパソコンでもオーディオ並の音質には驚きました。さすが音響メーカーFOSTEXの製品です。これは半年以上使用しての感想です。サイズ、黒いデザインも邪魔になりません。
この値段でこの音ですか。近くで聞くと音場の広がり感がとても気持ちいいです。下手なアンプでそこそこのスピーカーを鳴らすくらいなら,こっちの方が断然良いと感じます。買って損なし。パソコンのおともに!
MACKIE マッキー モニタースピーカー ペア販売 国内正規品 CR3
50Wのパワーアンプを搭載したモニタースピーカーです。低価格帯のスピーカーでは、キャビネットがプラスチックのものが多いですが、本製品は木製キャビネットを採用しています。より自然な音の再現と高級感も演出されています。
3インチ口径のウーハーと、0.75インチ口径のツィーターを採用した2WAYバスレフ方式を採用しています。定格出力は50W。再生周波数帯域は80Hz~20KHz。入力端子はRCA、ステレオミニ、フォーンです。
MACKIE マッキー モニタースピーカー ペア販売 国内正規品 CR3の口コミ評判
まず肝心の音質ですが、かなりいいですね。見た目は低音ゴリゴリのスピーカーに見えますが低音、高音、中音それぞれの音域を音源通りにしっかり鳴らしてくれます(まさにモニタースピーカーですね)。おそらく万人受けする音かと思います。
低音と音圧は文句のないレベルだと思います。中域もしっかり出てるので、ギターの音やヴォーカルの音もコシを含んで気持ちよく鳴ってくれます。
モニタースピーカーの効果的な使い方
モニタースピーカー選びには、カタログ性能を参考にするのも大切ですが、設置する場所や置き方によっても随分と音質が変わってきますよ。より効果的な設置方法を説明しますね。
左右のスピーカーの置き方
モニタースピーカーでは、左右にスピーカーを置きますが、自分と2つのスピーカーの位置関係や、2つのスピーカーから出る音の角度によって音質が変わります。
自分の頭とスピーカー2台が、正三角形になるように配置することをおすすめします。部屋の環境によっては難しいかもしれませんが、なるべく正三角形を目指すようにしくださいね。
スピーカーの向き
スピーカーの向きも重要です。左右のスピーカーのそれぞれが自分の方に向くように設置してくださいね。
スピーカーの高さ
スピーカーは、スピーカーを中心に音が広がります。自分の耳と同じ高さに設置すると、より忠実な音を聞くことができますよ。
壁からの距離
スピーカーは、振動して音を出しています。壁に接していたり、壁から近い距離に置いていると、低音が響きすぎてしまいます。
モニタースピーカーの背面の壁から離すように設置することをおすすめします。可能であれば、30センチメートル以上は離すようにしてくださいね。
スピーカーを置く台
スピーカーは振動しますから、スピーカー置く床や台によって音質が変わってきます。薄い天板を使ったテーブルや台などは振動が出やすく、影響を受けやすくなります。
モニタースタンドに固定するのがより良いですが、ない場合は、なるべく振動の影響を受けにくい場所に設置してくださいね。
DTM用にモニタースピーカーを設置する場合は、同じ台に2台のスピーカーを置くこともあるかもしれませんが、すでに説明しましたように、置く台によって振動の影響を受けます。
そこでおすすめしたいのが、床もしくはテーブルや台の上にブロックやレンガを置き、その上にスピーカーを置くという方法です。ブロックやレンガは振動に強いため、底面からの振動やスピーカー同士の振動の干渉といった問題を解消するのに役立ちます。
スピーカーとブロックやレンガの間に、オーディオ用の「インシュレーター」を置くと、さらにサウンドの再生環境が良くなりますよ。インシュレーターは振動を抑えるために使われるもので、スピーカーから出る以外の音を抑えることによって、スピーカーそのものの音が聞こえやすくなります。
まとめ
モニタースピーカーがあれば、DTMの作業もはかどりますし、パソコンのサウンドも高音質になります。どんどん活用して、楽しいDTMライフを送ってくださいね。