卵焼きは、私たち日本人にとって安心できる癒しの味。日常の食卓に、お弁当に「おかず」として欠かせない料理の一つです。毎日何気なく食べている卵焼きだからこそ、おいしく、上手に焼き上げられる道具を揃えたいですよね。
現在市販されている卵焼き器にはたくさんの種類があり、それぞれに素材や形、加工などで特徴があります。自分にとってより使いやすい卵焼き器を選ぶことは、調理がスムーズに運ぶようになるだけでなく、料理への自信も高まるもの。
ここでは、卵焼き器についての基礎知識や、自分にとっていいものを選ぶポイントをはじめ、人気商品のランキングもご紹介していきます。
卵焼き器の選び方
一口に卵焼き器と言っても、本当に種類がたくさんあり、どれを選んでいいのか悩んでしまいますよね。卵焼き器は、どのようなポイントに着目して選ぶといいのかについて、アドバイスも含めてご紹介していきます。
素材ならではの特徴で選ぶ
卵焼き器の素材には、あらゆる金属が使われており、使う素材の違いで仕上がりにも差が付きます。卵焼き器の素材として、代表的なものの特徴を説明します。
アルミ製
熱伝導率が良く、軽くて使いやすいことがメリット。力弱い女性でも、調理中に手が疲れることがありません。ただし、強火に弱く食材がくっついてしまいやすいので、弱火で素早く焼くことがコツです。調理の時の油はたっぷりと使いましょう。水分の多い関西風のだし巻き卵などに向いています。
鋳物(キャスト)
キャストとも呼ばれ、鉄などの金属を鋳型に流し込んで作られたもので、複数の金属を混ぜた合金であることが多いです。炭素が含まれていることで油のなじみが良く、遠赤外線効果で、食材にじっくりと熱を伝えて、おいしく仕上げます。
最近では、アルミキャスト素材のフライパンや卵焼き器も多く発売され、熱伝導率のいいアルミならではのメリットと蓄熱性の高い鋳物のいいところが融合し、使いやすさとおいしさを実現した仕様に、多くのファンがいます。
鋳物の卵焼き器のメリットは、しっかりと熱を蓄え、まんべんなく火を通すことで、卵焼きがふっくらと仕上がること。価格は、アルミ製のものよりも高価ですが、それだけの価値を感じられる仕上がりになります。
銅製
プロの料理人に愛用者が多いのが、銅製の卵焼き器です。一般的に売られている卵焼き器に比べてお値段は高めですが、一度使うと病みつきになるとリピーターが多いのが特徴です。
熱伝導率が良いことに加え、まんべんなく火が通るので、おいしさをすばやく閉じ込め、ふっくらとした仕上がりになります。抗菌作用もあるので、安心して食事を楽しむことができるのもメリットの一つ。
塩分に弱いので、卵焼きはもちろん、お弁当のおかずなどを少量炒めた後などは、特にしっかりと塩分を落としておきましょう。放っておくと痛みの原因となります。
ステンレス製・セラミック製
大切に使えば、一生ものともいわれるステンレス素材の卵焼き器。熱の通りが良く、蓄熱性にも優れているので、誰もがおいしく卵焼きを焼くことができます。表面にテフロン加工がされているので、こびりつかずお手入れも簡単。自宅で簡単に本格的な卵焼きを楽しむことができます。
セラミック製のものは、熱のまわりがよく、火が通りやすいのが特徴です。あまりに強火で使うと傷んでしまいやすいので、中火かそれ以下で使うことが理想。表面にコーティングはされていますが、長持ちさせたいならしっかりと油を敷いてから焼くのがおすすめです。
鉄製
油なじみのいい鉄製のフライパンには、しっかりと油をひいてから卵焼きを作るとうまく仕上がります。じっくりと火を通す蓄熱性の高さで、ふんわりと焼き上がり、口に含んだ時の柔らかさが違います。
お手入れの際は、しっかりと水分をふき取ることが大切です。鉄製のものは、表面に焦げ付きにくいコーティングなどがされていることが多いので、実際はそれほど神経質にならなくても大丈夫ですが、「ある日突然錆びていた」なんてことにならないように気を付けましょう。
形には「関東型」と「関西型」がある
普段何気なく使っている卵焼き器、皆さんのご自宅にあるものはどのような形をしていますか。実は、地域によって卵焼き器の形に違いがあります。
「関東型」は、正方形やそれに近い四角い形をしたものです。関東では、たっぷりの卵を使った厚みのある卵焼きが好まれますが、ひっくり返す時もある程度ボリュームがあるため、この正方形の形が使いやすいとことで広まりました。
一方、「関西型」の卵焼き器は、縦長の長方形です。関西では、だし文化が根強く、卵焼きは関東のように甘くなく、だしの風味があるしっとりとした卵焼きです。たくさんのだしを入れて卵焼きを作るため、水分が多く、薄く焼いては何度もひっくり返すことが必要なので、巻きやすい長方形の形が使われるようになったと言われています。
実はもう一つ「名古屋型」と呼ばれる、横長長方形のものもあります。全国的に認知度が低く、知らないという人も多い形ですが、名古屋では一部で使われています。ひっくり返す時にへらを使うことで、幅の広い形の卵焼き器が使われるようになったという説の他、様々ないわれがあり、その発祥は、未だ定かではありません。
このように、卵焼き器の形にはその土地の文化にちなんだ地域差がありますが、実際に今、日本中で最も多く使われているのは「関西型」と呼ばれる縦長長方形のものです。一般家庭のコンパクトなコンロでも場所を取らず、使いやすいことが広く普及している理由の一つです。
卵焼き器人気おすすめ商品TOP5
毎日使う卵焼き器。どのメーカーの商品の人気が高いのでしょうか。売れ筋の商品を選び、商品の特徴のご紹介と共にランキングにしてまとめました。実際に使っている方のレビューと共に、早速ご紹介していきましょう。
北陸アルミ 玉子焼 センレンキャスト 19×13cm 「ガス火専用」
熱伝導率の高いアルミ素材を使用し、鋳造製で厚底に作られた形状が、素材のおいしさをより引き出してくれる卵焼き器です。食材がこびりつくことなく、調理がしやすいテフロン加工での中でも最高峰のプラチナ加工を施し、使い心地の良さが人気のベストセラーアイテム。木製の柄は握り心地が良く、高級感も兼ね備えたデザインです。
北陸アルミ 玉子焼 センレンキャスト 19×13cm 「ガス火専用」の口コミ評判
気に入りすぎて、なかなかもったいなくて洗うのがイヤで使えないほどです。まだ卵焼きしか使ってないですが、この大きさに合うフタを探しています
玉子二個で焼いてみましたが、以前と違ってしっとりふっくらと焼きあがりました。
フライパンのせいなのか、焼き加減なのか…でも確実に今までより美味しいです!!
ティファール 卵焼き フライパン ガス火専用 「 インジニオ・ネオ グランブルー・プレミア エッグロースター 」 チタン プレミア 4層コーティング L61418 取っ手のとれる T-fal 【IH非対応】
「取っ手の取れる・・・」シリーズの卵焼き器は、すでにティファールを愛用している方が買い増すケースの多いフライパンです。チタンコーティングでこびりつきにくく、料理がしやすい加工が施されており、耐久性も申し分なし。卵液を流し込んだ時の広がりがきれいで、誰もが、余分な焦げのないきれいな卵焼きを完成させることができます。
ティファール 卵焼き フライパン ガス火専用 「 インジニオ・ネオ グランブルー・プレミア エッグロースター 」 チタン プレミア 4層コーティング L61418 取っ手のとれる T-fal 【IH非対応】の口コミ評判
取り外しハンドルに対応しているので、収納がコンパクト。徐々に、このハンドルなしタイプに統一しています。
こちらのフライパンは深さがあり、厚焼き玉子も綺麗に巻けるので使いやすいです。
お弁当用のウインナーなどちょこっと焼くのにもこの深さは良い!フチが鍋と同じく折り返した様になっているので、卵液も外側に垂れないし綺麗に使えますね。
及源 南部鉄器 フライパン 玉子焼き 角玉子焼 F141
蓄熱性の高い鋳物で、いつもの卵焼きを格段においしく焼くことのできる卵焼き器。特殊なコーティングはされていないものの、しっとりと脂が馴染み、多くの人が抱いているイメージ程焦げ付くことなく、表面がきれいでふっくらとした卵焼きを焼くことができます。料理人などのプロにも愛される鋳物ならではの出来を、ぜひ体感してほしい商品です。
及源 南部鉄器 フライパン 玉子焼き 角玉子焼 F141の口コミ評判
テフロンと鉄と迷いましたが、長く使いたく、こちらを購入。加熱しすぎても、たわしで洗っても大丈夫。フライパンのとっての部分もそれほど、卵焼きを作るぐらいなら、熱くなりませんよ。卵焼きもうまくできます。最初の油の馴染ませ方も、説明書付きで、簡単にできました。
仕上がりにびっくり。だし巻きを焼いてみると、だしの流出が少なく、以前の1.5倍程度同じ分量で作ると、だしをしっかり抱く分味が濃く感じるので、少し塩分を抑えて作るようになりました。油が馴染んでからが楽しみで仕方がありません。
ティファール 卵焼き フライパン 14×18cm IH対応 「 キャストライン エッグロースター 」 プロメタル 5層コーティング C76618 取っ手つき T-fal
ティファールのキャスト(鋳物)ラインから、玉子焼き器がランクイン。鋳物と熱伝導率の高いアルミを混ぜたオリジナル設計で、底面の厚さ蓄熱性が高くじっくり、ふっくらとした卵焼きが焼けると評判の商品です。フライパン中央にあるお知らせマークの変化でフライパンの温度を知ることができるので、IH調理器でも安心して使うことができます。
ティファール 卵焼き フライパン 14×18cm IH対応 「 キャストライン エッグロースター 」 プロメタル 5層コーティング C76618 取っ手つき T-falの口コミ評判
長年 お弁当の玉子焼きをフライパンで作ってましたが以前から気になっていたので今回 購入してみました。すごく玉子焼きが綺麗にでき満足しております。
ガスで利用しましたが、フライパンの温度状態を示すマークも問題なく利用できました。実際に出汁巻卵を焼いてみましたが、タイミングがわかりやすいのであまり料理をしない私でも焦げていないものが簡単につくれました。少し重いですが、卵を丸めるときにフライパンを振りやすく私的には気に入りました。
パール金属 卵焼き フライパン 13×18cm IH対応 玉子焼き器 ライズ ブルーダイヤモンドコート HB-323
金属製のヘラを使っても傷がつきにくい、特殊なブルーダイヤモンドコートで焦げ付きや食材のこびりつきを防ぐ玉子焼き器です。少量の油でOKなので、ヘルシーに調理することができます。ガスやIHはもちろん、ハロゲンなども含め、どんな熱源にも対応する素材なので、家庭用としてだけでなく、アウトドアなどのシーンにも重宝します。
パール金属 卵焼き フライパン 13×18cm IH対応 玉子焼き器 ライズ ブルーダイヤモンドコート HB-323の口コミ評判
小さくても重さが有るので安定します。くっつかないのは勿論、少し深型なので小さくてもボリュームのある卵焼きが作れます。カラーも気に入ったので、深型フライパンと合わせて購入しました。
相当な弱火でベーコンエッグを作りましたが、油の量も少なめで綺麗に出来上がりました。 お皿に移す際もヘラも使わず、そのままスルッと移すことが出来ました。 調理後のフライパンの清掃も楽ちん。(サッと水洗いしてキッチンペーパーで水を拭き取るだけ) 卵焼きだけではなくウィンナーやベーコンなども綺麗に焼けます。
卵焼き器の効果的な使い方
卵焼き器は、いくつかのポイントを抑えることで、より効果的に、有効に使うことができます。さっそく、そのコツをご紹介していきましょう。
使い始めが肝心。ちょっとひと手間で長持ち
せっかく手に入れた卵焼き器は、大切に使いたいですよね。実は、使い始める時のワンステップで、より長持ちさせることができます。このひと手間が、後のメンテナンスを楽にさせてくれる効果も期待できますよ。
使い始めはまず「洗う」
どの卵焼き器にも言えることですが、使い始める時には必ず洗いましょう。新品の卵焼き器は、製造や梱包の課程で、油などの汚れやほこりが付いています。そのまま使うと、食材にそれらがついてしまいますので、食器洗い用洗剤を使ってきれいにします。また、お湯で煮たてる方法も有効です。煮沸することで油や汚れが浮きあがり、きれいになります。
卵焼き器の中には、特に洗剤での洗浄は必要なく、水で流すだけでもOKというものもありますので、まずは、取扱説明書を読んでから使い始めるようにしましょう。
銅製、鉄製のものは、油ならしから
銅製や鉄製の鍋の多くは、焦げ付かないようにコーティングされていないものが多いため、いきなり卵焼きを焼くと、色々なところにこびりつき、うまく焼くことができません。そこで、はじめに行いたいのが、油ならしです。
これは、卵焼き器の素材と油分を馴染ませるため、卵焼き器に油を入れて熱します。こうすることで焦げ付きやこびりつきを防ぐことができ、同時に鍋に付いた汚れや塗料、製造の過程で付いた機械油などが取れるのです。
銅製の鍋は、初めに卵焼き器に深さの三分目あたりまで油を注ぎ、中火から弱火で油を熱します。温まったところで火を止め、そのまま10分くらい放置します。これでじんわりと脂が馴染んできます。終わったら油を捨てて完了です。
銅製鍋には、もう一つ、油ならしの方法があります。薄く油を塗った卵焼き器を中火で温め、煙が出るくらいまで温めたところで、もう一度キッチンペーパーなどに含ませた油を塗ります。これを7~8回繰り返すことで、油のコーティングがされ、こびりつきにくくなります。
鉄製の鍋は、油を入れて野菜くずなどと一緒に炒めるとまんべんなく油がいきわたります。一度の油ならしの後に使う時は、もしかするとまだこびりつくかもしれませんが、何度も卵焼きを焼いているうちに徐々に鍋と油が馴染み、使いやすくなってきます。鉄製の卵焼き器は、油ならしをしておくと、油がコーティング剤となり、錆びにくくなる効果もあります。
大切に使いたい卵焼き器だからこそ、このひと手間をかけることが大切。こびりつきや焦げ付きがなくなると、卵を焼いた後の洗浄やメンテナンスが格段に楽になります。銅製や鉄製の卵焼き器は、他の素材のものに比べて高価なので、より長く使いたいもの。だからこそ、初めの油ならしは丁寧に行いましょう。
空焚きは傷む原因
卵焼き器には、表面にテフロン加工がされているものが多くありますが、テフロン加工の弱点は、高温。フライパンを火にかけたまま放置しているうちに、煙が上がってしまってびっくりしたという話はよく聞きますが、この後すぐにこびりつくようになってしまいます。
卵焼き器は、こびりつくようになってしまうと、非常に使いづらくなるもの。見た目のふっくらとしてきれいな仕上がりにするためには、焼けた薄焼き卵がするりと外れるものがいいですよね。使用するときは、中火か弱火にすることを心掛けましょう。
使い終えた後は
卵焼き器を使い終えた後こそ、大切なのがメンテナンスです。調理中、どんなに丁寧に使っていても、終わってからのメンテナンスがおろそかになってしまえば、痛みや劣化が早まります。基本的なアフターメンテナンスの方法をご紹介します。
きれいに洗ってしまう
どの卵焼き器にも言えることですが、使い終えたら、きれいに洗ってしまいましょう。変色や劣化のもとになることに加え、特に鉄製の鍋は酸、銅製の鍋は塩分に弱いので、汚れが付いたまましまうと錆びるや痛みの原因になります。また、水気をしっかり取り除いてから収納することも大切です。
卵焼き器の素材によっては、食器洗い用洗剤を使用しない方がいいものもあり、水やお湯で流すとか、汚れをキッチンペーパーなどでふき取るだけでいいなど、それぞれです。卵焼き器に施されたコーティング加工の有無によってもお手入れの方法が変わるので、取扱説明書を確認しましょう。
焦げ付きは煮沸で落とす
卵焼き器を頻繁に使っていると、気になってくるのが焦げ付き。どんなに丁寧に使っていても、やはり、焦げは必ずついてしまいます。洗っても取り除くことができない頑固な焦げ付きには、煮沸が有効です。
鍋でお湯を煮たたせてしばらくすると、こびりついていた焦げが柔らかくなり、はがれやすくなります。少しの力で焦げを落とすことができるので、卵焼き器の表面を傷ませることなく、スムーズに摂ることができる有効な方法です。
煮沸は、洗剤で落としきることができなかった油を落とすための方法としても使えます。フッ素樹脂加工など、表面に加工が施されているものでも、普段使ううちに落としきれない汚れや油が蓄積しますが、汚れがたまるとせっかくの表面加工も効果が落ちてしまうもの。
例えば、1週間に1度など、定期的に煮沸することで、表面がきれいになり、表面加工の良さが復活し、長く使うことができます。
いろいろな使い方
卵焼き器という名前は付いていても、実際は普通のフライパン。ですから当然、他の料理にも使えます。卵焼きを焼いた後、そのままお弁当の具材を調理するのは、よくある使い道。肉や野菜炒めなど、少量のおかずを炒めたい時に便利です。
ホットケーキやクレープのようなデザートや、ふわふわの四角いパンケーキなどを焼いても楽しむことができます。小さめサイズに仕上がるので、パーティーなど人が集まる時のおもてなし料理としてもおすすめです。
また、お好み焼きの生地にネギやショウガなどを多めに入れて薄く焼き、割りばしに巻き付けて食べるスナックフード「はしまき」にも最適。主に、西日本で知られているソウルフードで、お祭りの時などに屋台で売られていることが多いのですが、お子様のおやつとしてもおいしく食べることができます。
その他、ピザ、オムレツ、かき揚げなどの少量の揚げ物にもぴったりで、様々な用途で便利に使うことができます。
まとめ
卵焼き器には、色々な種類があり、それぞれの素材によって仕上がりの具合や取り扱い方法が違います。一つの方法がすべての卵焼き器のメンテナンスに共通するわけではないので、付属している取扱説明書を読んで、その通りに扱うことが、長持ちさせるコツです。
毎日のように使う卵焼きだからこそ、こだわりのものを選びたいあなたへ、ご紹介した内容を参考にお気に入りの商品を見つけてくださいね。