キャンプやバーベキューをする際には火を起こすのに苦労しますが、そんな時あれば便利なのが「着火剤」です。なんといっても、炭や薪などに塗ったり、下に入れたりして火をつけるだけという手軽さが魅力。アウトドアに慣れていない人でも、着火剤があればスムーズに調理ができそうですよね。
しかし、市販の着火剤にはいろいろな種類があるため、どれを選べば良いのか迷ってしまうという人も多いのではないでしょうか。本ページでは、着火剤の種類や選び方、ネット通販で購入できる人気商品、効果的な使い方についてお伝えしていきたいと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
着火剤の選び方
着火剤の選び方についてまずはご説明したいと思います。形状にも様々なものがありますし、使う炭や薪との相性も大切になってくるので、基本的なことをぜひ覚えておきましょう。
着火剤の種類
市販の着火剤には、次のような種類のものがあります。
ジェル状のチューブタイプ
着火剤というと、このタイプを思い浮かべる人が多いかもしれません。スタンド型のチューブにジェル状の燃料が入っており、これを炭や薪に塗ってから火をつけるのですが、蓋ができるので持ち運びが非常に楽というメリットがあります。
ただ、このタイプの着火剤は、火をつけてから継ぎ足しをすると勢いよく炎が上がってヤケドをする危険性があるので、十分な注意が必要です。引火しやすいので、蓋を開けたままの状態で火のそばに放置するのも厳禁。小さな子供と一緒の時は、念のため他のタイプの着火剤を選んだほうが良いかもしれませんね。
ジェル状の個包装タイプ
ジェル状の着火剤が1回分ずつパックに詰められており、これを炭や薪の上に置いて火をつけて使います。着火剤としてだけでなく、単体でも火をつけて調理に使えるので、荷物の中に入れておくとなにかと便利ですよ。
ブロックタイプ
おがくずなどをパラフィンワックスで固めて粘土状にし、乾燥させたものです。1回分ずつ割りやすいように切り込みが入っていて、必要な分だけ使えるようになっています。「独特のにおいが気になる」という人もいますが、その場合は石油系の成分を使わない商品を選ぶと良いでしょう。
このタイプの着火剤は時間をかけてゆっくり燃えるので、ジェル状の着火剤のように炎が急激に燃え上がる心配が少なく、アウトドア初心者でも安心して使えます。ただ、乾燥に弱いので、開封後はしっかり密封してあげてくださいね。
防水タイプ
防水タイプの着火剤は一度火がつくと水をかけても消えないので、天気が気になる時のアウトドアでも活躍します。また、煙やにおいも出にくいので、女性が一緒のキャンプやバーベキューで使うと喜ばれそうです。ただ、逆に考えると水をかけてもすぐには消せないということなので、使い方には十分に注意してください。
用途別に適した着火剤を選ぶ
短時間でよく燃え上がるジェルタイプの着火剤は、手早く調理をしたい時や、たき火をしたい時に向いています。また、スタンディングチューブ入りのものは使用量の調整がしやすいので、無駄がなく便利です。
ブロックタイプはジェルタイプに比べて燃焼時間が長いので、料理を煮込みたい時やのんびりバーベキューを楽しみたい時に重宝します。また、ジェルタイプのように飛散する心配が少ないので、子供と一緒にアウトドアを楽しみたい時にはいくらか安心でしょう。
保管のことを考えて選ぶ
使用後に蓋を閉めて使うジェルタイプの着火剤は、長時間置いておくと成分が揮発して容器がパンパンに膨らんでしまったり、量が減ってしまったりすることがあります。あまり使わない場合は、1つずつ個包装になっているものや、容量が少なめのものを選ぶと良いですね。
また、石油系の成分を染み込ませたブロックタイプの着火剤は、時間がたつと成分が揮発して、火付きが悪くなることがあります。長期間保存する可能性がある時にはあまり選ばないほうが良いでしょう。ワンシーズンを超えての保管には「永年保存ができます」との表示がある缶入りの商品や、1回分ずつ密封されているジェルタイプがおすすめです。
遊びゴコロのある商品は話題づくりにもうってつけ
着火剤の中には、カラフルなボール状で、燃やすと良い香りのするようなユニークなものもあります。見た目がおしゃれで女性ウケが良いし、中の芯を出してしまわないように気を付ければ防水性もあるので保存に便利。「こんなものがあるの!?」と会話も盛り上がりますよ。
環境に配慮した原料のものを選ぶ
おがくずをパラフィンで固めたもの、再生可能なバイオマス資源を使ったもの、間引きされた間伐材を使用したものなど、着火剤には環境に配慮した原料で作られているものがいろいろとあります。
キャンプやバーベキューをするなら、その楽しさを与えてくれる自然のこともきちんと考えたいですよね。ファミリーでのお出かけなら、子供に環境破壊について教える良い機会にもなりますよ。
炭との相性で選ぶ
着火剤をうまく使いこなすためには、使用する炭との相性もかなり重要になってきます。せっかく道具や材料を揃えたのにうまく火がつかないというのでは困るので、よく使われる炭の特徴を知っておきましょう。
ユーカリやマングローブの炭
ホームセンターでよく売られている安価な炭は、そのほとんどがユーカリやマングローブから作られたものです。燃焼時間が短い、爆ぜやすい、煙やにおいが出やすいというデメリットもありますが、火がつきやすいのでアウトドアに慣れていない方にはおすすめ。使う着火剤の種類も選びません。
白炭
表面が白っぽい炭は、アラカシやウバメガシなどが原料となっています。燃焼時間が長いのが特徴で、煙やにおいも出にくいので、時間をかけてじっくりバーベキューを楽しみたい時には重宝するでしょう。
ただし、火がつきにくいので、慣れないうちはちょっと扱いに苦労するかもしれません。薪と組み合わせて使った上で、着火剤はできるだけ長く燃えるタイプのものを選ぶと良いですよ。
黒炭
真っ黒な黒炭は、クヌギやナラなどの木を原料に作られています。ユーカリやマングローブを使ったものと同じく、どんなタイプの着火剤でも火がつく上、煙やにおいも少ないという優れもの。着火剤もにおいが出にくいタイプを選べば、食材に変なにおいがつく心配も少なく、おいしく料理を作ることができます。
汎用性で選ぶ
ジェル状の着火剤が1つずつパックになったものは、炭や薪を使わず、単独でも調理に使うことができます。そのため、ふらりと1人でキャンプに出かける時や、自宅の庭でちょっとした調理を行いたいなんていう時にあると便利。災害時に火を起こしたい時にも助かります。
着火剤人気おすすめ商品TOP10
ここからはネット通販で購入できる人気の着火剤を、ランキングでご紹介していきたいと思います。
(ユニフレーム) UNIFLAME 森の着火材 . .
自然環境に配慮し、間伐材から出た木材の粉砕屑、リサイクルパラフィンワックス、ステアリン酸で作られたブロックタイプの着火剤です。切れ目が入っているので、使う分ずつ小分けにすることができます。
全て手作業で丁寧に製造しているのは「NPO法人 あおぞらポコレーション」「社会福祉法人 新潟滋生会」の方々。この商品を購入することが障害者自立支援につながっていくということなので、応援したいと思う人はぜひ! 灯油などの揮発成分を含まないので嫌なにおいが出ず、手が汚れないところも便利ですよ。また、7分ぐらいかけてゆっくりと燃えるので、使用中の危険も少ないです。
Bush Craft(ブッシュクラフト) ファイヤーキャンディ (Fire Candy)20粒入り 06-03-orti-0008
「ちょっと変わったものが欲しい!」という人に人気なのが、このカラフルな着火剤です。色は4色あって「オレンジ:虫が嫌うシトロネラ」「ピンク:ピーチ」「イエロー:グレープフルーツ」「グリーン:ライム」と、それぞれに良い香りもついています。オレンジは虫よけにもなるので、山の中など虫の多い場所でバーベキューをする時に重宝しそうですね。
丸い形をナイフで切ったり、指でつぶしたりして芯を出し、そこへ火をつけて使いますが、芯を出す前の状態であれば水濡れにも強いということです。ブリキ缶に入っているので、コンパクトにまとまって持ち運びも楽々ですね。
文化たきつけ☆木炭・練炭・豆炭・石炭・オガ炭・薪用簡単着火剤・屋外用(火おこしグッズ)
「文化たきつけ」は、気温の低い日が長く続く北国では、定番商品として人気のある着火剤です。木炭、練炭、豆炭、オガタン、薪などいろいろなものと組み合わせて使うことができ、ライターなどで確実に火がつけられるので、緊急時の補助燃料として備えておくのもおすすめです。
板状に成型された着火剤で、切り込みが入っているので、使いやすい大きさに小分けして使うことができます。ただ、灯油が使われているので独特のにおいが発生し、開封後に室内に置いておくと部屋中が臭くなってしまうこともあるので、開封後は密封できるチャック付き袋などに入れて保存しましょう。
ファイヤーサイド(Fireside) ドラゴン着火剤 1箱24個入り 630540
炭や薪を組んでその中に置き、ライターなどで火をつけると、数秒で着火して燃え始める使いやすい着火剤です。確実に炎を起こすことができるので、初めてのバーベキューに挑戦する人にもおすすめです。
原料として使われているのはパラフィンで、キューブ状に1個ずつ固められており、手が汚れず取り出しもしやすいです。また、火力が強く燃焼時間が長めなのが特徴で、1個あたりだいたい15分ほど燃え続けますが、煙やにおいも出にくく快適に使用できます。
ひまわりの会 着火材 着火剤 バーベキュー ストーブ
「一般社団法人ひまわりの会障害者福祉サービスひまわり作業所」にて、全て手作業で丁寧に作られている着火剤です。使用している原料は間伐材なので環境にも優しく、この商品を購入することが障害者自立支援の一助ともなるので、エコや障害者福祉に関心のある人にはうってつけの商品ではないでしょうか。
機械を使って成型しているわけではないので、商品ごとに若干の形の違いがあったり、屑が落ちていたりすることもあるということですが、そうした部分がかえって手作り感があり、温かい感じです。ブロックは切り目で小分けできるようになっているので、無駄も出にくいですよ。
また、灯油などの揮発成分を含まない着火剤なので、ツンとくる嫌なにおいがせず、素手で扱っても手が汚れにくいです。燃焼時間は約7分。火がついた後は、勢いよく燃え上がるのではなく、ゆっくりと燃え続けるので安全度も高いです。
ニチネン製 パック燃料 着火剤 四角タイプ 27g(燃焼時間 約20分30秒) 安心安全の日本メーカー製 揮発しないので固形燃料と比較して長期保管にも最適 セット販売品 qa100051
持ち運びや保管に便利な個包装のジェル状着火剤です。成分が揮発しにくいので長期間置いておきたい時にも便利。キャンプやバーベキューはもちろん、オール電化住宅での停電時や災害時の備えとしても重宝するのではないでしょうか。
また、煙やにおいが出にくいので、これが気になって外での調理を敬遠していた人にも使いやすい商品です。パックごと火をつけられるので後片付けも簡単。燃えた後の炭の塊を取り除くだけなので、スピーディに完了しますよ。
キャプテンスタッグ バーベキュー ファイアブロック 着火剤
粘土状の着火剤をブロック型に成型したもので、切り込みに沿って割れば簡単に小分けすることができるようになっています。薄くて軽いので持ち運びや保管もしやすく、アウトドアの好きな人ならまとめ買いしておくと便利ですよ。
また、炭や薪を組んでからライターやチャッカマンなどを使えば簡単に火がつき、後はそのまま放置すれば5~10分ほど燃え続けてくれるので、特別なテクニックは必要なく、アウトドア初心者でも扱いやすいです。嫌なにおいが出にくいので、服や髪ににおいがつくのに抵抗がある女性や、食材の風味を損ないたくない料理の時にも活躍してくれそうですね。
NITINEN(ニチネン) アウトドア着火剤 チャッカネン
保管に便利なスタンディングチューブタイプのジェル状着火剤です。逆止弁を採用しているので一度外に出した着火剤、炎、空気が容器内に入る心配がなく、引火による爆発事故防止に役立ちます。
また、昼間でも炎が見えやすいように赤色の火を採用しているので、火力が足りないと勘違いして継ぎ足しをしてしまったり、うっかり炎に触れてヤケドをしてしまったりする心配も少ないです。ジェル状なので、炭や薪に塗りやすいところも良いですね。
Fire up(ファイヤーアップ) ファイヤーアップ 100キューブバケット
暖炉・ストーブ・バーベキューに関連する商品を作り続けて25年の「FIRE-UPインターナショナル社」が製造する着火剤です。石油系の成分を使用していないので燃やした際に嫌なにおいが出ず、人体への影響も少ないので、女性や子供にも使いやすいのではないでしょうか。燃焼時間は約10分です。
原料となるパイン材の圧縮おが粉は、100%バイオマスのもの。環境にもきちんと配慮されています。また、長期間保存しても油分が揮発しにくい着火剤なので、頻繁に使わない時や災害時の備えとして置いておきたい時にも便利ですよ。
ロゴス(LOGOS) 着火剤 固形燃料 エコココロゴス・ミニラウンドストーブ4 ecoなヤシガラ炭
ココナッツの中身を取り出し、不要になった外側の部分=ヤシガラを原料として使用した着火剤です。木を伐採する必要がないので環境に優しいし、ライターですぐに火がつくところも便利! 火起こしに慣れていなくても、簡単に調理を始めることができます。
火力も強めで、1個使えば約4枚のステーキを焼くことが可能です。家族みんなの食事もスピーディに準備できますね。一度にたくさんの着火剤を使う必要がないので、コストを抑えられるところも魅力です。
本体には7つの穴が開いていますが、この穴が空気の通りを良くすることで火をつけやすくなるということ。また、1個ずつがコンパクトに作られているので、サイズの小さい火床でもぴったり収まりますよ。
着火剤の効果的な使い方
着火剤の効果的な使い方をご紹介します。
着火剤でうまく安全に火をつけるコツ
ジェル状の着火剤はすでに火がついている状態で使うと非常に危険なので、必ず冷めている状態の炭や薪を使いましょう。バーベキューコンロなどに並べたら、上から着火剤を塗って火をつけ「井」や「人」の形になるように組み上げてください。こうすることで空気が通りやすくなり、炎がしっかり上がるようになります。固形タイプの着火剤は、まず着火剤を置いてから上に炭や薪を重ねましょう。
「いまいち火が回りにくい」という場合は、うちわやふいごなどの道具を使って風を送り込んでやると良いです。煙が流れたり、灰が舞い上がったりするので、周りの状況をよく確認してから行ってくださいね。火が順調に回りはじめたら、空気の通り道を確保しながら新たに炭や薪を重ねて火力を安定させましょう。
うまく火をつけるには我慢も大事
着火剤を使って火をつけた後、炭や薪をあちこちに動かすと熱が分散してしまいます。つい気になって「まだかな?」と動かしたくなりますが、炭や薪に十分な熱が通るまでは、じっと我慢して見守るようにしてください。
必要な炭や薪の量はどれぐらい?
用途によっても違いますが、1回のバーベキューに必要な炭や薪の量は、1人あたり約1kg程度と言われています。人数×1kgで計算すれば、必要な量を把握しやすいですね。
ジェル状の着火剤を使う際の注意点
ジェル状の着火剤はとにかく引火しやすいので、継ぎ足しは絶対にしないこと、使用後はきちんと蓋を閉めて火元から遠い場所に置いておくことが大切です。そして、使用する時は火元から十分な距離をとり、安全を確保した状態で炎を見守るようにしてください。近くに水の入ったバケツを用意しておくと安心ですよ。また、万が一の事故を防ぐため、子供には絶対に触らせないようにしましょう。
食材を調理するのにベストなタイミングとは
着火剤を使って火をつけた炭や薪がまだ赤々と燃えているうちは、温度が高すぎて食材を焦がしてしまう可能性があります。しばらく燃やし続けて炭や薪が白くなってきたら、ダッチオーブンや網などで調理を開始しましょう。
また、料理の種類ごとに温度を調整したい場合は、強い火力が必要なものの下に炭や薪を多めに置き、保温だけしたい部分は量を少なくするというやり方で対応できます。
使い終わった炭や薪の処理方法
キャンプやバーベキューの時は、専用の「火消し壺」があると便利です。一度火がついた炭や薪はなかなか冷めないので火の番をするのが大変ですが、火消し壺があれば中に入れて蓋をするだけで酸素を遮断して火を消してくれるので、あっという間に後片付けができてしまいます。
しかも、火消し壺で消化した炭や薪は、次回のキャンプやバーベキューの時に着火剤として使用することができるのです。一度火がついたものなので着火しやすくなっており、あればかなり便利。コストを抑えるのにも役立ちますね。
ただ、熱が完全に冷めるまでは火消し壺そのものがかなり熱くなるので、熱に弱いところに置いたり、子供が触ったりすると危険です。また、途中で蓋を開けてしまうと空気が入って冷めにくくなるので、1時間ぐらいはそのままそっとしておくことが大切。最後まで安全に楽しめるよう、取り扱いには十分に注意しましょう。
水をかけたらいけないの?
炭や薪の火を消すのに上から水をかけてしまうと、熱い蒸気が上がってヤケドをしたり、バーベキューコンロが変形してしまったりすることがあります。非常に危険なので、水をかけて消化するのは絶対にやめましょう。
また、使用後の炭を土の中に埋めてしまう人がいますが、炭は食材のように土に還らないので、自分で持って帰るか、火が完全に消えてから指定のゴミ置き場へ運ぶようにしてください。
着火剤が足りなくなった場合の対処法
万が一、途中で着火剤が足りなくなってしまった場合は、まつぼっくり、フルーツの皮、牛乳パックなどを燃やすことで代用できます。これらのものには適度な油分があるので、火をつけるとけっこう勢いよく燃えるのです。フルーツや牛乳は食後のデザートや水分補給の飲み物としても重宝するので、苦手じゃなければぜひ持っていきましょう。
まとめ
気候の良い季節になると、やりたくなるのがキャンプやバーベキュー。興味はあっても火起こしに自信がなくて躊躇している人も多いと思いますが、着火剤を正しく使えば初心者でも簡単に火を起こせるので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
ただし、ジェル状の着火剤を使う場合は、引火によるヤケドにくれぐれも注意してください。また、みんなが気持ちよくキャンプ場やバーベキュー場を使えるよう、使った炭や薪の後始末もしっかり行いましょう。