相次ぐ自然災害により、防災への意識は高まっています。様々な防災グッズが必要となる中で、特に必要性が高いのが防災用ヘルメットです。災害時には家の中でも、倒れるタンスやガラスの破片など危険が多いからです。
また頭部を保護しつつも手を使って作業する必要があるので、ヘルメットの着用は必須と言えます。そこで今回は防災用ヘルメットの選び方とおすすめ商品をご紹介します。
防災用ヘルメットの選び方
防災用ヘルメットにも色んなタイプのものがあります。保管時にもスペースを取らずに済むようなものもありますし、それぞれの状況に応じて最適なものを選びたいものです。
そこでどのようなポイントに注意すれば良いのかを挙げていきます。性能やサイズ、重さなどを考慮して選んでいただければと思います。さらに防災用ヘルメットは定期的に買い替える必要もあるので、ランニングコストもチェックしていただけると良いでしょう。
耐久性の高いものを選ぶこと
防災用ヘルメットは基本的に、プラスチックでできています。これは災害時に長時間着用することにより、首や肩への負担を軽減させるのが理由です。もちろん、プラスチックとはいっても、しっかりと落下物などから頭部を守るだけの強度はあります。
一方でプラスチックは年数が経過するだけで、次第に劣化する性質があります。つまり、使用しなくても保管しているだけで耐衝撃性などが落ちてしまうわけです。
そこでなるべく長い期間保管できるように、耐久性が高いものを選ぶ必要があります。早いサイクルで買い替えると経済的な負担も増してしまいます。
国家検定に合格したものを選ぶ
ヘルメットの安全性が客観的に保証されていると安心できます。そこでひとつの目安となるのが、国家検定合格品となるヘルメットです。これは2つの検定試験に合格したものとなり、「労・検」という検定ラベルが貼られています。
検定試験はまず衝撃吸収試験がありますが、これは人の頭の模型にヘルメットを装着し、5kgの半球を1mの高さから自然落下させるというものです。
頭の模型に加わる衝撃荷重が500kgf以下となれば合格です。つまり衝撃を10分の1以下に抑えることができることが条件というわけです。さらに高温や低温、浸水時の環境下などでも検査を行います。
そしてもうひとつ、耐貫通性試験も行います。3kgの円錐を1mの高さから自然落下させて、その先端が模型に接触しなければ合格です。
どのような素材があるのか知っておくこと
防災用ヘルメットの素材には色んなものがありますが、それぞれの特徴を簡単にでも知っておくことが大切です。
FRP
繊維強化プラスチック素材ですが、他の素材との大きな違いは高温化で硬化することにあります。プラスチックは通常、高温となると柔らかくなりますし、当然ながら耐衝撃性も低下します。
けれどもFRPは熱硬化性樹脂を使っているので、逆に硬くなることでしっかりと頭部を守ってくれます。またガラス製の強化繊維が入っているので、紫外線に弱いというプラスチックの弱点をカバーしています。
耐用年数も5年ほどと長いので、コストパフォーマンスも高いと言えます。
ポリカーボネート
ヘリコプターやジェット戦闘機のキャノピーにも使用される素材なので、熱や衝撃に強いのが特徴です。ただし薬品や有機溶剤には弱いのが難点と言えます。耐用年数も3年ほどとなります。
ABS樹脂
乗用車のバンパーなどに使われている素材です。加工が簡単に行えるので価格が安価なのが特徴です。耐用年数は2年から3年ほどとなります。
衝撃吸収材に何が使われているか
防災用ヘルメットは、頭部と密着するようには作られていません。ある程度の空洞を作っておくことで、落下物などが貫通しても直接頭部にダメージが伝わらないようにするためです。
そしてこの空洞部分には、衝撃吸収材がついているものが多くあります。大抵は発泡スチロール製ですが、これがヘルメットへの衝撃を直接頭部に伝えることを防いでくれます。
そこでこの衝撃吸収材がどのように付いているのかもチェックしておくことが大切です。折りたたみ式のヘルメットは保管に便利ですが、この衝撃吸収材が付属しているかどうかもチェックしておきましょう。
デザインも実は重要
防災用のヘルメットなのだから、見た目はそれほどこだわらなくても良いのではないかと思う人も多いでしょう。デザインをシンプルにした方が価格も安そうですし、経済的にも思えます。
実は防災用ヘルメットは他のヘルメットと異なり、デザインにも実用面での意味があります。災害時には足場も悪く、狭い場所に潜り込むこともあります。そのような状況下では、抵抗が少なくできる限りシンプルな形の方が便利です。
余計な突起物などがあると引っかかることになるので、移動もスムーズに行えなくなります。そのような点も考慮してデザインを選ぶ必要があります。
防災用ヘルメットおすすめ商品TOP8
防災用ヘルメットは機能性や素材はもちろんのこと、見た目のデザインや色などにもこだわりたいものです。そこでランキング形式でおすすめ商品をご紹介します。
超軽量タイプから折りたたみ式のもの、あるいはデザイン性に優れたものなど色々と揃っています。さらに価格面と併せて選択する際の参考にしていただければと思います。
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たためるヘルメット コンパクメット CPM-01
三分割に収納することで厚さわずか8.5cmにまでコンパクトにできるヘルメットです。組み立て式ながらも国家検定をクリアする耐衝撃性能を持っています。組み立てに要する時間も30秒ほどと手間もかかりません。
重量は470g、ABS樹脂素材となり衝撃吸収材はポリスチロールとなっています。専用のバッグも付属するので、収納時にも持ち運びにも便利です。
たためるヘルメット コンパクメット CPM-01の口コミ評判
海外出張の際にスーツケースの中の場所を取らないのは助かります。作りもしっかりしており最高です。
いつもビルの改修現場に工事の事前調査に行くのに、書類カバンの他にかさばるヘルメットを持って行くのがユウウツでしたが、
まさに解消されました。
TOYO シールド付きヘルメット ヴェンティープラス スチロール入り 白/スモーク/クリア No.391F-S-C
くもり防止加工が施された、幅の広いシールドレンズを内蔵したヘルメットです。シールドレンズは着脱式となっているので、状況に応じて取り外すこともできます。
内部には消臭加工素材を使用しているので、長時間の着用でも臭いが気になりません。さらにあごひもには帯電防止糸のステッチが入っています。ひさしは傷が付きにくいハードコーティングが施され、しかも紫外線も99％カットします。
TOYO シールド付きヘルメット ヴェンティープラス スチロール入り 白/スモーク/クリア No.391F-S-Cの口コミ評判
ヴェンティーという名前の通り、通気性がよく快適で、風が少しでも吹くと頭がスースーして気持ちがいい。蒸れにくい。デザインも良し。
かぶった時、頭上との間にクリアランスが広めに取ってあり、そこを風が通り抜けるので、非常に涼しく感じる。
TOYO 防災用折りたたみヘルメット BLOOM II No.101 グレー
前後から内側に押すだけ、わずかワンタッチアクションで組み立てが可能な超薄型の折りたたみヘルメットです。折りたためばわずか45mmの厚さとなるので、机の引き出しやビジネスバッグなどに収納しておくことも可能です。
国家検定をクリアした耐衝撃性は確保されています。頭頂部の内側3ヶ所に発砲スチロールが衝撃吸収材として付いています。
TOYO 防災用折りたたみヘルメット BLOOM II No.101 グレーの口コミ評判
軽く、薄く、かぶりやすい。形も工事現場にいても比較的違和感が無いので、重宝してます。現説や現場視察時には最適。
届いて早速ヘルメットの形に開いたり折り畳んだりしてみましたが、２?３回やってみればすぐに要領がつかめます。
IZANO 防災用 たためる ヘルメット オレンジ
たためるヘルメットのオレンジカラーです。明るい色調なので、遠くからの視認性に優れているメリットがあります。保管に場所を取らないので、家族の人数が多いような場合に重宝します。
着用時の調整もできるので、ワンサイズで大人から子供までオールマイティに活用できることも特徴と言えます。非常に軽いので、災害時の作業も首への負担が少なくなります。
IZANO 防災用 たためる ヘルメット オレンジの口コミ評判
組み立てはカチカチとしっかり組み上がる感があり品質が高いと思う。組み上げた状態で普通のヘルメットと違和感がないデザイン。
説明書を一回読めばたたみ方は覚えられると思うので緊急時に役にたちそう。私は頭の小さい方ですが、紐で調節できるのでぴったりでした。
国家検定品 スターライト 日本製 防災用ヘルメット 防災たれ(脱着可能)付 HS-100AJ ホワイト
着脱可能な防災たれが付いているので、首の後ろも保護することができます。性能は国家検定に合格しているので耐衝撃性なども十分に確保されています。
重量は防災たれも含んでわずか340gと、非常に軽いのが特徴です。サイズは少し大きめなアメリカンサイズとなりますが、ワンタッチで調節できるあごひもにより誰にでもフィットします。素材はABS樹脂となります。
国家検定品 スターライト 日本製 防災用ヘルメット 防災たれ(脱着可能)付 HS-100AJ ホワイトの口コミ評判
説明通りの商品でした。備えあれば憂いなしの気持ちです。どうも有難うございました。
非常用のヘルメットをさがしていました。防火たれ付きで、日本製というのも購入要因の一つです。良かったです。
TRUSCO ヘルメット ホワイト MPタイプ DPM148W
シンプルなデザインなので定期的な品質チェックも簡単にできるヘルメットです。丸く引っかかりも突起物もないので、狭い場所でも作業にも最適と言えます。
ワンタッチで調節できるバックルあごひもがついているので、簡単に頭部に固定できます。雨だれを防ぐ溝も付いているので、雨天での作業も不快とならずに行うことが可能です。
TRUSCO ヘルメット ホワイト MPタイプ DPM148Wの口コミ評判
角がなく引っかかりにくい形状でいいと思います。特に、狭くてヘルメットが何かに接触してしまうような環境ではこの丸い形状がベストかと思います。
しっかりしたプラスチックでできているし、衝撃吸収用の発泡スチロールのような内貼りもあるし、もちろん長さの調整できるアゴひもも付いています。
IZANO 防災用 たためる ヘルメット ホワイト
折りたたむことができるので、収納に場所を取らずに済みます。国家検定合格品なので、耐衝撃性も十分に確保されています。専用の収納袋もついているので、保管も楽に行えます。
材質はABS樹脂、重量は450gと軽量なので着用時の首などへの負担も少なくて済みます。頭の大きさに合わせて、後頭部で調整することができるようになっています。
IZANO 防災用 たためる ヘルメット ホワイトの口コミ評判
ワンタッチで畳んだり開いたりと簡単な作りでカバンにもなんとか入るコンパクトさ。使用時はとても折りたたみ式とは分からない（他の折りたたみ式の様にかっこ悪くは無い）
今まで折りたたみのメットは各種出てましたが、ほとんどのものが国家検定「飛来落下物用」で「墜落時保護」対応は少なかったとおもいます。こちらは墜落保護対応なので、安心です。
国家検定品 ヘルメット アメリカンタイプ SS-100型AJZ(発泡スチロール入) ホワイト FS-100AJ
国家検定をクリアした安全性能のヘルメットです。内部には墜落時衝撃吸収用発泡スチロールがあるので、頭部をやさしく保護してくれます。あごひももワンタッチで着脱できるので、災害時にも慌てずにしっかりと固定させることができます。
重量はわずか355gなので、長く着用していても疲れにくいのも特徴です。首や肩への負担が少なく、災害時の作業も楽に行うことができます。材質はABS樹脂となります。
国家検定品 ヘルメット アメリカンタイプ SS-100型AJZ(発泡スチロール入) ホワイト FS-100AJの口コミ評判
中に発砲スチロールらしきクッションがある。更に、額に当たる部分に布当てがある。サイズ調整も楽です。
頭のサイズは58～59ｃｍですが調整幅が広く作りもしっかりしていて良いです。あご紐も長くて余裕がありました。
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防災用ヘルメットの効果的な使い方
防災用ヘルメットはいざという時にしっかりとその機能が発揮できなければ意味がありません。そのためには、普段の保管と定期的な品質チェックが不可欠と言えます。
そこで、保管に関してはどのような点に注意した方がよいのかを説明します。また定期的なチェックにおいては、どのような部分を確認する必要があるのかを具体的に挙げていきます。
使用上の注意を守る
当たり前のことのように思えますが、ヘルメットはかぶっていると何かと不都合に感じることがあります。例えば内部が蒸れて暑いと感じるからと、中にタオルと入れたくなったりするわけです。
けれどもヘルメットの内部に何か入れてかぶると、しっかりと固定させることができなくなります。モノが飛んできた時にヘルメットがずれて怪我をすることがあるわけです。
必ず説明書の通りに着用し、あごひもをしっかりと固定させるようにしましょう。
保管するのはどこが最適？
防災用ヘルメットを家で保管する際には、どこにしまっておけば良いと思いますか？結構かさばるし、できれば収納の奥にしまっていきたいけど、いざという時にすぐ使えないと困るからと考える人は多いのではないでしょうか。
確かに震災などいつ起こるか分かりませんし、あまりに取りづらい場所にしまい込んでしまうと取り出すのにも苦労します。
けれども、できれば防災用ヘルメットは暗い場所に保管しておきたいものです。というのも、ヘルメットの素材であるプラスチックは紫外線に弱いからです。
家の中の蛍光灯からは、わずかですが紫外線が出ています。この紫外線を受けると防災用ヘルメットは次第に劣化してしまうわけです。ただし、LED照明ならばほとんど紫外線は発しないので、このような心配は不要と言えます。
高温多湿を避けること
保管場所としてもうひとつ、大事なポイントは高温多湿となる場所は避けることが挙げられます。これもやはりプラスチックの劣化を防ぐことが理由です。
定期的に点検を行うこと
防災用ヘルメットは適切な環境下で保管していても、定期的に使える状態であるかどうかを点検する必要があります。いざ使用が必要な場面で劣化が見られると、使用できないからです。
点検によって何かしらの不具合が見られる場合には、速やかに破棄した上で新品を購入する必要があります。次に点検の際に確認するポイントを挙げていきます。
縁が欠けている
プラスチックは経年により劣化します。見た目は硬く問題ないように思えても、衝撃が加わることで簡単に破損することになります。
そこで定期点検では、まず見た目ですでに破損している部分がないかどうかを確認します。最も自然劣化として発生しやすいのが縁の欠けです。このような状態が見られると、全体的に強度がかなり低下していると考えられます。
へこみがある
防災用ヘルメットをクローゼットの奥などに保管している場合、後からしまい込んだ荷物によりへこみができる場合があります。
このようなへこんだ部分があると、強度が低下するために保護する機能が損なわれます。そのために、少しでもへこみが確認できたら新しく交換する必要があります。
擦り傷が多い
これも保管時に他の荷物との接触により起きやすいものです。擦り傷も強度が不足する原因になるので、やはり新品に替えておくことがおすすめです。
変色が激しいもの
ヘルメット全体の色が当初と明らかに異なるほどに変色していれば要注意です。塗料の劣化、あるいはプラスチックそのものが劣化することで色は変わります。このような状態では、強度もかなり劣化していると考えられます。
ガラス繊維が浮き出している
これはFRP製のヘルメットの場合ですが、劣化によりガラス繊維がヘルメットの表面から浮き出すケーズがあります。もちろんこのような状態では正常な保護ができないので、交換する必要があります。
内部の衝撃吸収ライナーが変色、もしくは割れている
発泡スチロールの衝撃吸収ライナーが劣化していても、きちんと頭部を守ることができません。明らかに異常が見られる場合には、ヘルメットの外見に異常がなくても交換しておいた方が良いでしょう。
ヘルメットはプラスチック製であることから、軽量化することができます。そのために衝撃を受けて変形する場合があるので、その際の頭部へのダメージを減らすために衝撃吸収ライナーは重要な役割を担います。
あごひもに劣化が見られる
あごひもはヘルメットをしっかりと固定させるために重要な役割を持ちます。あごひもがほつれていたり伸びてしまっていたりするようであれば、ヘルメットを交換しておく必要があります。
一度使用したものは保管せずに破棄すること
地震が発生した時などに一度でも着用したヘルメットは、基本的には破棄して新しく買い替えた方が良いでしょう。災害時には神経も高ぶりますし、ヘルメットにどのような衝撃を受けたのか覚えていないものです。
モノが落ちてきたり、あるいは飛んできた小石がぶつかったりすると、ヘルメットの表面に傷がつきます。この傷はたとえ小さなものであっても、耐久性を低下させる原因になります。
そのために着用したヘルメットは、どの程度耐久性が落ちているのか確認できないので、新品に替えておいた方が安心です。
防災時以外には使用しないこと
防災用ヘルメットは、災害時に起こり得る様々な危険から守ることを想定して設計されています。そのために他の用途では使わないことが大切です。
例えばバイクの運転時に着用するのは止めておきましょう。バイク用ヘルメットとは根本的に構造が異なるので、転倒時の保護が十分に行えない場合があります。あるいは登山などにおける頭部の保護のために着用するのも避けた方が無難です。
まとめ
防災用ヘルメットの普及率はまだまだ低いものです。置き場所に困るという理由もありますが、実際に災害が発生すると無防備でいることのリスクは非常に高いものです。
震災が発生した後は、落下物に常に注意する必要もあります。そのような事態に備えて防災用ヘルメットはぜひ準備しておきたいものです。そして大切なことは、耐用年数に満たなくても定期的にチェックし、その機能性を確認するということが挙げられます。