愛犬をシャンプーした後は、皮膚のトラブルを防ぐためにしっかりと毛を乾かしてあげる必要があります。けれども人が普段使うドライヤーではデリケートな犬の肌はやけどをしてしまうことがあります。
そんな時に役立つ、犬用ドライヤーの選び方をご紹介します。湿気によるトラブルで病院通いすることがないように、しっかりと乾かせるものを選べるように役立てていただければと思います。
犬用ドライヤーの選び方
犬用ドライヤーを選ぶ際のポイントは温度と風量、そして音です。いかにすばやくしっかりと、しかも犬が嫌がることなく乾かすことができるかが重要というわけです。
そこでそれぞれについて詳しく解説していきます。半乾きにすると菌が発生してしまうので、商品選びの際にはポイントをしっかりと押さえておいて比較するようにしましょう。
温度調節ができるものが大事
犬の体には人間のように汗腺がありません。汗をかくことができないので体温調節が難しいのです。犬が普段舌を出しているのは、ここで体温調節をしているからなんですね。そこでドライヤーも熱い熱が伝わらないものを選ぶ必要があります。
人間用のドライヤーは熱いか冷たいか、どちらかしか選べません。そこで熱くならずに適度な温度で乾かせるような商品を選ぶ必要があります。
風量と風速の大きなものを選ぶ
とにかく短時間で犬の毛を乾かすためには、風量と風速が大きなものを選ぶのがポイントです。熱風を当てられないのが理由ですが、その分消費電力も大きくなります。家のコンセントで対応している最大電力を確認した上で、使えるものかどうかをチェックしましょう。
温度によって風量が変わらないものを
ドライヤーは温度が上がると風量が落ちるものがあります。犬用ドライヤーは短時間で乾かす必要があるので、温度を上げても風量が変わらないものを選ぶようにしましょう。
フィルターの掃除がしやすいかどうかも大事
犬の毛をスリッカーなどでブラッシングしながら乾かしていると、細かな毛などをドライヤーが吸い込むことになります。フィルターが目詰まりを起こすと風量が落ちるので、掃除が必要になります。
その時のフィルター掃除が簡単にできるかどうかもチェックしておきましょう。吸い込んだ毛やホコリをしっかりと取っておかないとモーターに負荷がかかって焼ける場合もあります。
なるべく音が小さいものを
犬は人間の数倍耳が良いので、大きなドライヤーの音は苦痛に感じることになります。中にはドライヤーの音を聞いただけで逃げ出す犬もいるので、できる限り静かなドライヤーを選ぶようにしましょう。
ハンズフリーなら両手が使えて便利
犬用ドライヤーには手で持たなくても、床などに置いたまま使えるものが多くあります。このようなハンズフリーの商品は、両手を使って乾かせるので便利です。
特に犬は歳を取ると我慢することができなくなってきます。ドライヤーで乾かしているとじっとしていることができずに、暴れ出すケースもあります。
そのような時に両手を使うことができれば、飼い主自身も怪我をせずに済むようになります。毛の多い犬もブラッシングをしながら邪魔な毛を押さえるといった乾かし方ができるので便利です。
電源プラグの形状に注意を
犬用ドライヤーには海外製のものも多くあります。日本でも使える商品ではありますが、プラグの形状が日本製品とは異なるものがあるので注意しましょう。日本のプラグは差し込む部分が2つですが、海外製のものはもう1本丸い棒状のものがついています。
このままではコンセントに差すことができないので、変換プラグを別途用意する必要がある場合もあります。変換プラグがセットされているのか、それとも自分で購入するのかを確認しておきましょう。
ノズルホースが長い犬用ドライヤーのメリットとデメリットを知っておこう
犬用ドライヤーの中には、ノズルホースが長いものがあります。本体のモーターの音が大きい場合には、ホースが長いと犬から音源である本体を離すことができるので便利です。その代わりに風量や温度を調節する操作パネルは本体にあるので、手元ですぐに変えることはできません。その点を考慮してノズルの長さも選ぶことが大切です。
犬用ドライヤー人気おすすめ商品TOP10
犬用ドライヤーには色んな種類の商品がありますが、その中でも人気のあるものをご紹介します。風量や調節のしやすさなどの性能はどれも文句なしですが、使い勝手などに違いが見られます。
犬の性格などに応じて合うものを選ぶことが大事なので、自分の犬の場合にはどんなタイプが合うのかを考慮しながら参考にしていただければと思います。
ハイパーターボHTD350(カールノズル仕様)十字スタンドドライヤー
温度と風量を無段階で調節できる、ハイパワーの犬用ドライヤーです。しかも動作音が静かなので音に敏感な犬にも安心して使える商品です。カールノズルを採用しているので、乾かしにくいところへも風を送ることができます。
スタンドで固定できるので、両手を使ってブローできる点も人気の理由です。スタンドの高さも調節できるので、トリミング台に乗せた犬の高さに合わせてちょうど良い位置に固定することができます。
オーエフティー クイックドライヤー
わずか800wの電力でかなりの風圧により乾燥させることができる犬用ドライヤーです。温風はそれほど熱くないのでやけどの心配はありませんが、寒い冬場は温かい部屋の中での使用がおすすめです。
犬の体の部位に応じてノズルを使い分けることができるので、効率良くブローすることができます。毛足の長い犬にはかなり強い風が必要となりますが、この商品であれば毛が絡むことなく作業が可能です。
AF コマンダー・ドライヤー
アメリカのグルーマーの絶大な支持を得ている人気の犬用ドライヤーです。スピードのコントロールもできますが、強力な風力で水分を吹き飛ばせることが高い評価につながっています。
海外仕様ですが、日本での使用も可能なように、アダプターがセットされているのですぐに使用できます。温風でのブローができないワンちゃんに優しいドライヤーと言えます。
スタンド型ドライヤー ターボ1800 【ハチコウ】【日本製】 (ガンメタ)
スタンドでの固定により両手でのブローができる、便利な犬用ドライヤーです。温度や風量の調整も細かくできるので、犬によって最適な設定でブローすることができます。
本体は小型なので扱いやすいのが特徴ですが、小型モーターを使いながらも十分な風量で送風できます。スタンドの高さも変えることができるために、使いやすい高さで作業できるので便利です。
プロフェッショナルペットドライヤーイロニア式スタイル Andis社
1875Wのかなりなハイパワーの犬用ドライヤーです。温風と共にマイナスイオンを放出することで、犬の被毛に潤いを与えることができます。ハンズフリーでのブロー作業ができる商品となります。
ドライヤーの角度は5段階で調節できるので、部位に応じて適切な位置から効率良く風を当てることができます。温風と低風の切り替えがボタンひとつで簡単に行えるので、適度な温度で皮膚に優しくブローできる点が評価されています。
ペット用ドライヤー「メガブロー」(風量・温度連続調節) 安心の日本規格 PSE取得商品
強い風量が人気の犬用ドライヤーです。冷風から温風までを無段階で調節できるので、犬の肌に優しい最適な温度で乾かすことができます。ノズルも3種類付属しているので、使いやすいものを選んで効率のよい作業が可能です。
吸い込み口のフィルターは簡単に交換できるので、毛のつまりを軽減させて風量を確保できます。ノズルのホースは伸縮式となっていて、1mから2mまで調節することが可能です。
エアフォースドライヤー
毛の長い大型犬の皮膚の部分までしっかりと水分を吹き飛ばすことができる犬用ドライヤーです。音は決して静かではありませんが、ホースが長いので犬の耳元で音を立てることはありません。
ノズルは3種類用意されていますが、特に平たいワイドノズルが通常のドライヤーでは乾かせない部分までしっかりと乾燥できると高評価です。コンセントプラグは3穴式なので、変換プラグを別途に用意する必要があります。
DoggyMan ( ドギーマン ハヤシ ) ペット用 スタンド式 ドライヤー 3段階角度調整可能 / 温風 冷風 モード搭載! 大風量
3つのモードで最適な温度でのブローができる、スタンド型の犬用ドライヤーです。風向きも3段階に切り替えができるので最適なポジションでの作業が可能となります。
消費電力は1200Wと風量も十分に確保、温度に関わらず同じ風量でしっかりと乾かすことができます。シャンプーをした後は高温で素早く、敏感肌の部分は低い温度でブローできますし、仕上げに冷風でスタイリングをするといった使い方ができるようになっています。
アンディス イオンドライヤー
スタンドに立てても片手持ちでも使える犬用ドライヤーです。風向きを変えることができるので、小型犬はもちろんのこと大型犬でのブローも可能です。
温度も皮膚が敏感な犬に優しい設定となっているので、ドライヤーが苦手な犬でも安心して使えます。普段のドライヤーと同じような形状なので、使い勝手の良さも評価される商品と言えます。
ドギーマン フリーハンドドライヤー
犬にとって心地よい温度でのブローができる、スタンド型の犬用ドライヤーです。冷風でも高温でも変わらない風量も使い勝手が良いと人気です。
犬用の商品を提供するドギーマンならではの安心感も評価されています。動作音や風量、温度とバランスの取れた商品と言えます。消費電力も1200Wと経済的な点も人気の理由と言えます。
犬用ドライヤーの効果的な使い方
犬用ドライヤーを購入しても、その使い方が正しくなければ皮膚トラブルが発生することにもなりかねません。そこで犬用ドライヤーの効果的な使い方をご紹介します。
乾かしすぎるのはNGという意見もありますが、半渇きは皮膚に良くありません。また自然乾燥させると生乾きの状態で菌が繁殖してしまいます。短時間のうちにしっかりと乾かすのがポイントになるので、そのために必要なことをご紹介します。
まず電源を確保すること
犬用のドライヤーは消費電力が大きいものです。人間用のドライヤーはせいぜい1200Wといったところですが、犬用となれば1500Wほどになります。そこで注意するのがコンセントの確保です。
通常洗面台にあるコンセントは最大でも1200Wくらいまでしか対応していません。それ以上大きな電力を使おうとすると、ブレーカーが落ちます。そこで他の場所にあるコンセントを使うようにします。
その時に注意が必要なのは、タコ足配線で他の電気機器と一緒に使わないということです。コンセントには最大で使える電力というものが決まっているので、延長ケーブルなどを使って使用するとやはりブレーカーが落ちます。場合によっては火を噴くことにもなるので注意しましょう。
犬は高い位置に乗せるとおとなしくなる
犬のブローで困るのは、おとなしくしていないことです。ドライヤーを嫌がる犬もいますし、思うように乾かせなければ十分に乾燥させることができません。
そこでまず最初に、犬を高い位置に乗せて簡単には下りられないようにしましょう。トリミングサロンでもよく見る光景ですが、人の腰位の台に乗せておくと大抵の犬はおとなしくなります。
スリッカーブラシを使いながらブローすること
タオルとドライヤーだけで乾かそうとすると、毛がもつれる原因になります。そうなると素人ではなかなか取ることができずに面倒な状態になってしまいます。
必ずスリッカーブラシを使って乾かすようにしましょう。その時、人の髪を乾かすように風を散らすと効率が悪くなるので、一点集中で乾かしたら場所を移動して乾かすという作業を行います。
ドライヤーを振りながらブローをすると、乾きムラが出てしまい後のチェックが面倒になります。温度を自分の手で確認しながら、集中的に乾かすようにしましょう。
ブラッシングは毛を逆立てながら
ブラシを使う時、毛の流れに沿ってブラッシングをするのではなく、逆に毛を逆立てるようにします。これは毛に隠れた皮膚を乾かすためです。
ドライヤーに慣れさせることが大切
多くの犬はドライヤーを嫌がりますが、大抵の場合は音が原因です。それが特別な存在であると認識すると、ドライヤーを見ただけで逃げ出す犬もいます。そこで、できれば早いうちにドライヤーに慣れさせるようにしたいものです。
最初のうちはブローするわけでもなく、ドライヤーをつけて音に慣れさせてあげましょう。それがテレビなどのように、日常生活の中の一部であると認識してもらうためです。
音に慣れてきたら、少しずつ風を当ててあげて怖いものではないことを教えてあげます。慣れてくれば嫌がることなくブローさせてくれるようになります。
短時間のブローで乾燥できるように工夫すること
ドライヤーを長時間当てていると、皮膚や被毛が傷むようになります。なるべく短時間で済ませることができるように、工夫をすることも大切です。例えばシャンプーをした後には吸水性の優れたタオルなどで、しっかりと水分を取っておきましょう。
犬にブルブルさせてあげる
タオルドライをする前に、犬にブルブルと体を震わせて遠心力で水分を吹き飛ばしてあげるのも効果的です。シャンプーした後にこれをやっておくと、タオルドライの時間も大幅に短縮することができます。
犬の耳に息を吹きかけると犬はブルブルするので、お風呂場でできる限り水分を吹き飛ばしておくようにしましょう。
顔は正面から風を当てないこと
犬の顔に正面から風を当てるのはやめましょう。犬も嫌がりますが、時にその温度で目を傷めることもあります。直接風が顔に当たらないように、ブラシなどを使って乾かすようにしましょう。
目の下や口周りが生乾きだと涙やけやよだれやけの原因になります。後ろから冷風を当ててうまく乾かしてあげましょう。
温度の高いドライヤーを使う場合
せっかく購入した犬用ドライヤーでも、思ったよりも風の温度が高いという場合があります。犬に負担がかからない温度の目安は60度ですが、これよりも高いと感じたならば乾かし方で工夫をすることができます。
まず風量は最大にしてできる限り犬から離れたところで風を当てていきます。自分の手にも風を当てて、温度を確認しながら行いましょう。今ほど犬用ドライヤーが普及する前は、トリマーさんは普通のドライヤーで作業していたものです。やり方さえ工夫すれば問題なく乾かすことができます。
温風を当てて乾いてきたかな、と感じたら冷風に切り替えて温度を下げてあげます。そして場所を変えて再び温風を当て、乾いてきたら冷風に切り替える作業を繰り返します。
こまめに温風と冷風を切り替えれば皮膚にも負担はかけませんし、犬も嫌がることはありません。後は自分でどのように調節すれば良いのか確認しながら慣れていきましょう。
耳の毛が長い犬は耳から先に
チワワやパピヨンのように、耳の毛が長い犬の場合には耳から先に乾かしてあげましょう。耳の毛が濡れたままだと癖がついてしまいます。先に乾燥させておけば癖がつくのを防ぐことができます。
乾かし残しが無いようにチェックする場所
ブローが終わったと思っても、実は十分に乾かせていない場所というのがいくつかあります。しっかりと乾燥させるためにチェックしておくべきポイントを挙げていきます。
指の間
指の間は割と見逃しやすいところです。指の付け根を軽く押してあげると、犬の指は開きます。ここを触って湿っているようであればしっかりと乾かしておきましょう。
わきの下
場所的にもブローしにくいので半乾きになりやすいところです。前足を持って曲げてあげると、乾かしやすくなります。皮膚が特に弱い場所なので温度は低く、ドライヤーも極力話して乾かしてあげましょう。
お腹
お腹も多くの人が乾かしにくいと感じるところです。面積も広いので大変ですが、乾かし残しがあると冷えてしまいます。冬場は特に乾かし残しがないようにしっかりとチェックしておきましょう。
まとめ
犬の肌は人間よりも敏感ですし、高い温度を苦手とします。そのために犬用ドライヤーも安全性を第一に選ぶことが大切です。加えて長時間ブローせずに済むように、風量の大きなものを選ぶこともポイントです。
後はできれば両手を使って作業できるように、スタンドで固定できるものを選ぶと良いでしょう。できる限り犬に負担がかからないように、優しく乾かせるようにしたいものです。